このたび、『ケトル』休刊に伴い更新休止中でした当メディア「太田出版ケトルニュース」は、近日オープン予定の太田出版連載サイト「OHTABOOKSTAND」へ移行する運びとなりました。ケトルニュースで掲載されたほとんどの記事は、OHTABOOKSTANDでも引き続きお読みただけます。
「OHTABOOKSTAND(読み:おおたぶっくすたんど)」は、2022年2月1日オープン予定。新連載やカルチャーニュースを配信する新メディアとして立ち上がります。どうぞご期待下さい!
★詳細・新連載については、太田出版公式Webページよりご確認ください。
]]>「OHTABOOKSTAND」は、書籍化を予定するエッセイなどの“読み物”を中心に配信されます。新連載には、哲学者・永井玲衣が綴る『ねそべるてつがく』、2児の母でライターの堀越英美による『ぼんやり者のケア・カルチャー入門』、大阪在住ライター・スズキナオの旅エッセイ『自分を捨てる旅』、ライター・パリッコによるお酒と育児の両立をテーマとした『缶チューハイとベビーカー』、政治学者・中島岳志による本格論考『縄文——ナショナリズムとスピリチュアリズム』、以上の豪華5作がオープニングにラインナップしました。
このほかにも、執筆陣や刊行に関するニュースや書籍の試し読みを順次公開。また、無料会員にはメールマガジンの配信が予定されています。好調メディア「QJ Web」(https://qjweb.jp/)に続いて登場する太田出版の新メディア「OHTABOOKSTAND」に、ぜひご注目ください!
「OHTABOOKSTAND」▶ https://ohtabookstand.com/
▼連載ラインナップ▼
各連載第1回は2月1日11時より配信開始!
『ねそべるてつがく』永井玲衣
紀伊国屋じんぶん大賞入賞作『水中の哲学者たち』で話題の永井玲衣さんによる新連載。つねに何かを求め、成長し、走り回らなければならない社会の中で、いかにして「考える自由」を探し求めることができるのか。「ただ存在するだけ運動」や「哲学対話」を実践する哲学者がつまづきよろめきながら、言葉をつむいで彷徨います。「考える」という営みをわたしのものとして取り戻す、新感覚の哲学エッセイ!(毎月第4木曜日掲載予定)
『ぼんやり者のケア・カルチャー入門』堀越英美
『女の子は本当にピンクが好きなのか』・『不道徳お母さん講座』で話題の堀越英美さんによる新連載!最近よく目にする「ケア」ってちょっと難しそう…でも、わたしたち大人だって、人にやさしく、思いやって生きていきたい…ぼんやり者でも新時代を渡り歩ける!?「ケアの技術」を映画・アニメ・漫画など身近なカルチャーから学びます。 (毎月第2木曜日掲載予定)
『自分を捨てる旅』スズキナオ
話題作『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』などの著書を持ち、現在「最も注目すべき」エッセイの書き手として知られるスズキナオさんの新連載エッセイ。「ああ……疲れた」観光名所をめぐり歩く、お腹がはち切れんばかりに食べる、記憶を失うほど酒を飲む……そんな体力はもうないが、それでも旅がしたい。執着を解き放ち、自分の輪郭を失くしながら歩く知らない町。人に出会い、話を聞く。言葉に出会い、考える。それでもこの世界をもう少し見てみたいと思う小さな旅の記録。前向きな言葉に、大きな声に、すべての疲れている人へ。 (毎月第3金曜日掲載予定)
『缶チューハイとベビーカー』パリッコ
「チェアリング」という活動を生み出し、お酒の企画ではテレビ 、新聞、雑誌、ウェブメディアに欠かせない存在となった酒場ライター・パリッコさん。「育児エッセイだけは絶対に書かない」と心に決めていた著者による初の「育児と酒」についてのエッセイ連載。これまで子育ての苦労や幸せを綴った育児エッセイは偉大な先人たちが数多く残している。しかし、「育児しながらどう酒を飲むか」がテーマの文章はほぼ存在しないのではないか。その苦難と小さな幸せを、すべての同志たちとともに。(毎月第1・第3金曜日掲載予定)
『縄文——ナショナリズムとスピリチュアリズム』中島岳志
『中村屋のボース』『秋葉原事件』『「リベラル保守」宣言』『親鸞と日本主義』など数々の著書で日本という国について、新たな、独自の視点で論じてきた政治学者・中島岳志さんによる本格論考連載がスタート。初の著書『ヒンドゥー・ナショナリズム』が出版されてから節目の20年目の2022年に始まる論考のテーマは「縄文」。「古代」に夢中となった幼少時代の記憶から始まり、学生時代のジャン=ジャック・ルソーの思想との衝撃的な出会いをたどる。人は「原始」の中に「イノセントなもの」を見出し、今生きる社会の閉塞を突破しようとする。岡本太郎が、柳宗悦が「縄文」を発見し、島尾敏雄が「縄文」の中に天皇以前の原日本人を見出し、吉本隆明を南島論へと向かわせる。「縄文論」は、ヒッピームーブメントとも接続する一方、右派的なスピリチュアリズムとも結びつく。いまの時代こそたどるべき、「縄文」から読み解くまったく新しい「縄文と日本」の系譜学。 (毎月第4金曜日掲載予定)
メディア美学者の武邑光宏の巻頭連載にはじまり、哲学者の小川仁志による寄稿「哲学を流行らせよう、世界のために」、人類学者の磯野真穂へのインタビュー「不確実性との付き合い方」、そしてオードリー・タンや経済学者のキャス・サンスティーン、社会学者の西田亮介など注目される識者たちが登場。またアジアン・カンフー・ジェネレーションの後藤正文、落語家の柳亭小痴楽、写真家の長田果純など表現者も多く掲載されている。
多岐にわたる領域の識者が登場していることや、ビジネス誌とも人文誌ともカルチャー誌とも取れる内容になっているが、その理由について編集長の花井優太さんは以下のように話してくれた。
「世の中の価値観や営みが多項化し、コロナなどをきっかけにそれがさらに加速していることから、様々な考え方に一度で触れられるものをつくりたいと思いました。新聞を読むときには、新聞の文字をそのまま追うのではなくて、各媒体が元々どのような主張を持っているかもある程度理解しながら読んだ方が、より文章の先が見えてくる。数多の考え方に触れて世界を見つめながら、それぞれの営みを尊重しあって共生・共創できればという願いをこの本には込めています」
同誌では、4月13日に青山ブックセンター本店で創刊記念トークショー「この一年、コロナで日本は変わったか?意識変化をデータで見ながら新たな兆しを探る」を行い、翌週からは下北沢の本屋B&Bで、20日に「小川仁志×『tattva』編集部 悩める学生、ビジネスパーソンへ届けたい『いま、哲学に何ができるか?」、26日に「曽我部恵一×『tattva』編集部 青春とか、サニーデイ・サービスとか、現在とか」が開催される。新媒体の中身に合わせて、紙面と連動したイベントも興味深い。
「もともとうっすらとターゲットを考えていて……偉そうですけど(笑)。同世代の、根っこが童貞で、不貞腐れずにがんばっている人に向けてやってます。そしたら、たまに街で『YouTube見てます』って声かけてくれる人、全員そういう人ばっかりで。狙い通りですね(笑)」
ターゲットはニッチだが、登録者数は順調に増えており、3月末時点で10万人超。港区に住んでいることは大きなセールスポイントで、「この家がなかったら、たぶんチャンネル登録者100人くらいですよ」というが、具体的にはどんな動画が登録者数増を支えているのか?
「やっぱり食べ物系だと『デカい』『辛い』、あと福田麻貴さん(3時のヒロイン)に出てもらってる『エロい』系の動画は伸びますね。でも、いつも同じような感じでやってるからこそ全部の動画が伸びるし登録者数も増えるっていうのはあります。毎日同じようなことをしてるなかで『激辛』のネタがあるから、『あ、こういうヤツなんや』って中身も知ってもらえて、ほかの動画も伸びるというか。まあ僕自身は全然、動画観てないんですけど……(笑)」
岡田はもともと「オレンジサンセット」のほか、複数のお笑いコンビを経てピン芸人になった経歴の持ち主。売れてお金が入るようになってしまったら、チャンネルの魅力が失われるジレンマはあるが、これにはどう対処するのだろうか。
「売れるのがめちゃくちゃ怖いですよね。たぶん生活に余裕が出てきても、それを発信するのはできないと思うんですよ、性格上。かと言って貧乏ぶるのもウソになりますし……。だから『なんか怖なってきたわ』みたいなカッコつけ方をすると思います。余裕ぶりはしますけど、それをほんまに『余裕』みたいに見せるのは無理ですね」
複雑な胸の内を明かしつつ、「周りの価値観に無理して合わせる必要はないんやって。ありのままで生きていくべきですよ」と、力強く語る岡田。家賃3万7000円の男のサクセスストーリーがどう進んでいくのか、興味深く見守ることになりそうだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.154(2021年2月26日発売/太田出版)
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お笑い芸人を掘り下げて注目を集めたお笑いムック本『芸人芸人芸人』(コスミック出版)が、名前と版元を変えて新たにスタートした『芸人雑誌』。第1号では、「YouTube=Standard」と題し、YouTubeでの活動が注目されるお笑い芸人をピックアップした同誌だが、第2号の特集テーマは「2021の顔」だ。2021年の活躍が間違いなく期待される芸人をセレクトし、今年のお笑いシーンを予言。ニューヨーク、Aマッソ、空気階段を取り上げている。
さらに中面では2021の顔として、ライブシーンを牽引するカナメストーン、神保町漫才劇場で活躍する9番街レトロが出演。そのほか、special企画として先日休養から復帰を果たした加賀を交えたかが屋再始動企画を、毎号編集部がおすすめする芸人を紹介するpowerpush企画では、先日『お笑いABEMA CUP2021~ワタナベNo.1決定戦』で芸歴一年目ながら優勝を果たしたゼンモンキーを紹介している。
今号は、ニューヨーク、Aマッソ、空気階段の3パターンの表紙を用意。通常版の「ニューヨーク表紙ver」は全国書店・ネット書店にて、限定版の「Aマッソ表紙ver」と「空気階段表紙ver」は丸善ジュンク堂書店全店とhontoにて発売される。
『芸人雑誌 volume2(クイック・ジャパン別冊)』(太田出版)は2021年4月21日発売。1320円(税込)。
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「最初はヒップホップの代表的な曲を聴いていたんですが、あるときダンス会場で普段家で両親が聴いていた音楽が流れていて。こういう曲でもダンスを踊れるんだ、楽しいなって感じたんです。昔からほかのダンサーにも『いろんな曲で踊れるよね』とは言われていて」
ヒップホップやコンテンポラリーダンスを中心としたレッスンを受け、それ以外の日も町の図書館近くの路上でがむしゃらに練習した彼女は、高校生の時に、自分が通っていたダンススクールを先生から譲り受ける。そして20歳の時には、ダンスの本場と言われるニューヨークへ2か月ほど渡るが、そこで確信したのは「どこでやっても同じ」ということだった。
「福岡にもいいダンサーはいっぱいいるんですけど、なぜか東京に行ってしまったり。憧れもあるんだろうし、仕事の量もすごいんだろうけど、東京に行って、同じ仕事もらって、同じ方向に行って、結果なにが残るんだろう……。まずなんでここでやろうと思わんのやろう、自分から発信しないんやろって、今でも思ってます」
そしてダンスを始めた時と同じ金曜日の同じ時間にスクールは開催されており、その信念は揺るがない。
「生徒には『こうしちゃダメ』とか、そういうことは一切言わない。自分がいいと感じるものを強く思って伝えようしてほしい。たとえば好きな服を着てきて、それがダサかったとしても、めちゃくちゃ好きなんだったらその思いを出していこうよっていう。それは全部に言えるというか。自分っていうのはすごい特別なんだから、自信を持ってほしい。ダンスだってそのためのツールでもあるだろうし」
人口約3万人の福岡県水巻町から発信されたダンス動画は、毎回再生回数が数万回に上り、yurinasiaにも熱い視線が注がれている。“自分がいいと感じるものを強く思って”“自分っていうのはすごい特別”という彼女のメッセージは、少しずつ多くの人に、確実に伝わっているようだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.154(2021年2月26日発売/太田出版)
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内藤るな 「『スーパースター』という楽曲では私が歌い出しだったのですが、落ち着いた雰囲気ではじまるのですごく緊張して。ファンの方に『バッと雰囲気が変わって良かったよ』と言っていただけて良かったです」
高井千帆 「見てくれた方全員に『B.O.L.Tを一生推していこう!」と思ってもらえる日にしたいと思っていて。このライブはアルバム『POP』を曲順通りに再現したものなのですが、自粛期間中にアルバムの曲をたくさんいただいて、一曲一曲真剣に向き合って作り上げました」
青山菜花 「全曲やるライブは初めてだったので、レッスンでは疲れてしまったり、悔しくて泣いちゃったときもありました。だからこそ『次は絶対がんばろう』と思うことができて。練習していくうちに自然に笑顔になれたりして、本番でもできたので、みなさんにも伝わったと思います」
白浜あや 「なのちゃん(青山)とダンスを合わせる練習をがんばりました。あと、自分が楽しまないとみなさんも楽しんでくれないと思うので、余裕と自信を持てるように、家でも曲を聴いたりして本番に挑みました。本番では、みなさんの顔が見られてホッとしたのかめっちゃ楽しめました」
コロナ禍により、会場が変更になるアクシデントもあったが、ライブでは新曲も披露された。彼女たちの武器は果たして何なのか?
白浜 「みんなつながっているって思えることです。スタッフさんも温かくて、メンバーもすごく優しい。ファンの方ともライブや特典会を通してそう感じられるときがあります」
青山 「年下組と年上組がいるところです。お姉さんたちをお手本にしてライブに挑むことができました」
高井 「4人の個性が飛び交うパフォーマンスですね。年上組がフリースタイルで、年下はめちゃくちゃ踊る。でも、フリースタイルでも出ている色が違ったり、年下組も最近良い感じに変わってきていて」
内藤 「年上組が決まった振付が少なく、会場をよく見渡せるので、お客さんの表情がしっかり見えるんです。それを見て『もっと盛り上げていこう!』って思えたり」
今後については、「いろんなイベントに出たい」(白浜)、「ファンのみなさんと一緒にできる企画を増やす」(青山)、「刺さるパフォーマンスをしたい」(高井)、「夢中にのめり込みたい」(内藤)と、それぞれの夢を語る4人。コロナ禍ではアイドル活動も制約があるが、その高いパフォーマンス力はすでに高く評価されており、今後アイドルシーンをかき回す存在になりそうだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.154(2021年2月26日発売/太田出版)
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「おうち時間が増えたことで、一回仕事から離れて自分の人生のことを考える時間がみんなあったと思うんですよね。ペットと一緒に暮らしてみたいけど、お仕事あるし飼うのはかわいそうかなって思ってた人が、自分の時間を大事にして仕事とのバランスをとっていきたいなと思えるようになったのかな。私もずっと突っ走り続けてきだけど、突然おうち時間がドンってきて。仕事と自分の生活とのバランスとか不安ももちろんありつつ、逆に自分と向き合う時間ってこんなに尊いんだなって思ったりもして」
悠木の愛猫であるマンチカンの「アシュベル」は、現在9才6か月。悠木は今も実家で暮らしており、アシュベルは家族にも深く愛されているようだ。
「いちばん添い寝してるのは父かもしれません。動物好きで、ちょっと嫌われるくらい構い倒すので……。だから友だち感覚だと思うんですけど。私は甘やかし担当で、目ヤニ拭いてあげて、ブラッシングして、ちゅ~るあげて。うちの子、涙腺が潰れているので、目ヤニを自分で排出できないから、全然クシクシしないんですよ。なので、私が拭くんですが、とてもいやがるのでちゅ〜るでごまかして。『これ拭いたらちゅ~るだよ?』って」
家族の間でアシュベルの取り合いになっている画が想像できる悠木家。「あなたにとってアシュベルはどんな存在?」という質問には、こう答えている。
「仕えるべき王です。が、アシュ側がフレンドリーに接してくれるので、それに甘えて兄妹みたいに暮らしています。私としては彼の3倍くらい生きているので、お姉ちゃんのつもりですが、彼からすると私は庇護対象って感じみたいです。守られてる感があります」
仕事仲間とも、猫の話しをすることは多いそうで、花江夏樹に写真に撮り方を教わったり、佐倉綾音と互いの愛猫を見せ合ったりしているのだとか。コロナ騒動でライフスタイルは変化したが、一緒に過ごす時間が長くなったことについては「ありがたい」と語っており、これからも声優界の猫ブームは続くのかもしれない。
◆『クイック・ジャパン』vol.154(2021年2月26日発売/太田出版)
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〈海辺の小さな街で暮らす中学生の小梅(石川瑠華)は、憧れの三崎先輩(倉悠貴)に手ひどく振られたショックから、かつて自分のことを好きだと言ってくれた内向的な同級生・磯辺(青木柚)と関係を持ってしまう。
初めは興味本位だったが、何度も身体を重ねる二人。やがて、磯辺を恋愛対象とは見ていなかったはずの小梅は、徐々に磯辺への想いを募らせ、一方、小梅に恋焦がれていたはずの磯辺は、その関係を断ち切ろうとしてしまう。二人の気持ちはすれ違ったまま、磯辺は過去にイジメを苦に自殺した兄への贖罪から、ある行動に出ることとなる…〉
『うみべの女の子』は、恋というには強かで、打算というにはあまりに脆い、身勝手で切実な14歳の青春を描いた物語だ。主人公は、海の近くの小さな町に暮らす平凡な中学生・小梅と、彼女に思いを寄せる内向的な同級生・磯辺。思いよりも先に身体を重ねてしまった二人だが、秘密の時間を過ごせば過ごすほど、心の距離は遠ざかっていく──「思春期」「恋」「性」といったセンシティブな題材に真正面から挑んだ作品だ。
浅野いにおは、今年の第66回小学館漫画賞を受賞。浅野いにおによる原作漫画の映画化は、『ソラニン』(2010年)に次いで2作目となる。浅野は、
「『小梅』と『磯辺』が確かにそこにいます。より生々しく、より切実に。10代の瞬きにノスタルジーを感じながらも、今現在の自分がその延長線上にいるということを再認識させてくれる作品でした。そういえばいつだったか自分も、あの街の『小梅』であり『磯辺』だったのです」
と、コメント。『うみべの女の子』は2021年8月20日、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開。
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ゲームレビューは、ゲスト執筆者に前島賢、榎木洋子、小川一水を迎え、各2500文字越えのレビューを掲載。開発者座談会は、『新生エオルゼア』から『漆黒のヴィランズ』まで、そのとき「なにが起こり」「なにを目指したのか」を振り返る。また、『FFXIV』を支える装備アイテムのデザインを制作するアート班へのインタビューも実施。『新生エオルゼア』から『漆黒のヴィランズ』までの全18ジョブを紹介する。
さらに、『ポケットモンスター』も特集している。OPテーマ『1・2・3』を歌う「からあげ姉妹」(乃木坂46の生田絵梨花&松村沙友理によるユニット)が登場し、仲の良い2人による対談と撮りおろしを16ページにわたって紹介。OPテーマやマイナン&プラスルを演じる思いを仲よく語り合っている。
このほか、「人となり」のゲストにはベースヒーローのKenKenが登場。ロックンローラーの両親が作った思い出のお弁当や、常にロマンを忘れない生き様などを語っている。吉田豪&掟ポルシェによる「電池以下」には美川憲一が登場し、デビュー当時の思い出や数々の名曲エピソード、ビックリの武勇伝まで披露。創刊20周年&70号という記念すべき号に相応しい豪華な内容となっている。
『CONTINUE Vol.70』は2021年3月25日(木)発売。通常版は1200円+税、A4サイズに大きく刷られた数量限定生産のAmazon限定版は1500円+税。
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