オードリー若林「胸を張って『漫才師です!』と言えない」

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震災により日本中が動揺していた昨年の3月19日、オードリーは自らの冠番組『オードリーのオールナイトニッポン』の冒頭で新作漫才を披露した。あれは”漫才師・オードリー”の決意表明のようなものだったのだろうか? 『クイック・ジャパン』vol.99で巻頭ロングインタビューに応じたオードリーが、当時の心境をこう振り返る。

若林 「決意表明なんて大げさなもんでもないですよ。震災から約1週間ほど経ったあの日、被災地で避難生活をしている方たちのなかにもきっと、僕らのラジオを聞いてる方がいたと思う。もっと緊急を要する情報が欲しいはずの時期に、わざわざウチらのラジオにチャンネルを合わせる人たちが、オードリーのありがたいメッセージとか感動のトークとか、欲しがってるわけないと思ったんです。ウチらの漫才を聴いてもらえるのが、いちばん良いのかなって」

春日には一切相談せず、「漫才やるからな」と電話一本で伝えたという若林。それに対し春日は「いいね、ナイス!」とだけ返事をしたそうだが、一方で若林は、「『オードリーは漫才師です!』とは胸を張って言えない」とも語る。

若林 「この2年ほど、たくさんテレビに呼んでいただいて、お笑い芸人としてコントロールされる面白さと、優秀なスタッフさんと番組をつくる楽しさがわかってきて」「テレビづくりの真剣勝負に参加させてもらううち、『自分らはネタ以外の笑いには加わりません』ってとんがって斜に構えてるのも、違うなと思うようになりました」

その心境を、「『お笑い芸人として次のステージにいこうとしている』と、キレイな言い方もできるかもしれない」という若林。しかし若林は「これじゃいかん!」という気持ちも抱えており、そんななかで披露された3月19日の漫才は、「あんまり出来のいい漫才ではなかったですけど、やって良かった」そうだ。

◆『クイック・ジャパン』vol.99(12月12日発売/太田出版)

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『クイック・ジャパン』vol.99

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。