東大教授 秋葉原に売っている部品で超小型衛星の開発に成功

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パソコン、ラジオ、カメラ…その気になれば、どんなものでも作れる部品が集まる場所が秋葉原。だが、まさか「衛星」を作ろうと思った人はいないのでは? ところが、東京大学の中須賀真一教授は、秋葉原に売っている部品を使って衛星を作ってしまった。教授が手がけるのは、主に1~50kg程度の「超小型衛星」と呼ばれるもの。中須賀教授はこう語る。

「そもそも、なぜ、なかなか衛星が作れないのか。その理由は、衛星用の部品が高いからです。たとえば、宇宙ステーションの蛍光灯は、1本1000万円するんです。宇宙で絶対に壊れない部品を作るために、何度も設備で試験をするので、とにかくコストがかかる。でも、秋葉原に売っているものでも、宇宙で動くことが確認できれば、なんとか衛星に利用できるんです」

専用部品ではないため、耐久度が下がるリスクも織り込みながら、開発にのぞむ中須賀教授。「コストを下げられれば、衛星を使う人口を増やせるし、同じ衛星をいっぱい作って打ち上げることができる」と語る教授だが、超小型衛星には、どんな用途があるのだろうか?

「学校であれば、理科や社会の時間に、衛星から見た地球を見ながら講義ができる。企業の場合、すでに僕の教え子が気象予報会社から『船の航路上にある氷山の場所を調べるために、衛星がほしい』と言われて、実際に作って打ち上げます」

もっと大量に衛星が作られれば、より安価でより機能が高い衛星が生まれるはず。「大安売り!」とまでは言わずとも、、企業や自治体、大学などがマイ衛星を持つのが当たり前になる時代がやってくるかもしれない。

◆ケトル VOL.07(6月15日発売/太田出版)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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