瀬戸内海に浮かぶアートの島で普通の民家に泊まる“民泊”を体験

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現在発売中の雑誌『ケトル』は、特集のテーマとして“離島”をピックアップ。「島が大好き!」と題し、伊豆大島や隠岐諸島、瀬戸内海、五島列島など合計9つの島の自然、生活、文化、食べ物を紹介している。今回取り上げるのは、瀬戸内海に浮かぶ豊島(てしま)。こちらの島では、普通の民家に泊まることができます。

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瀬戸内海に浮かぶ豊島は、今では直島に次ぐアートの島として知られる、人口約1300人、周囲約19.8kmの島。水が豊かで自給して余るほどの農作物の実るこの島は、一時は、産業廃棄物の風評被害に苦しめられた時期もあったが、見事に復活を果たし、いちごとレモンが有名だ。

香川県高松港からフェリーに約50分揺られ、豊島の家浦港につくと、さっそく民泊先のお母さんが出迎えてくれる。この島は、民宿ではなく普通の家に泊まる“民泊”が目玉。今現在、民泊できる家は9軒で、漁師さんやそうめん工場、養鶏場など、バラエティ豊かなお宅が、島を訪れた人を迎えてくれる。

民泊が行われるようになったのは、「3年前に瀬戸内国際芸術祭が始まって、観光客がたくさん来るようになったけど、豊島には泊まるところがほとんどない。それでみんなで知恵をしぼって民泊が始まったんよ」。2010年に第1回が開催されたこの芸術祭は、その名の通り、直島や豊島、女木島、小豆島など合計12の島と高松、宇野を舞台に3年に1度開催され、固有の文化や美しい景観、伝統的な風習が残されている島々に、現代アートの作品が展示される。

民泊を行なっている島民によれば、同じお宅にお世話になった客同士が仲良くなって、翌日一緒に観光に行くことも多いのだとか。また、「泊まりに来てくれた人がリピーターになってくれたり、手紙をくれたり。やっぱり新しい娘や息子ができたみたいで楽しいんよ」とも語っている。

◆ケトル VOL.13(2013年6月15日発売)

【関連リンク】
ケトル VOL.13
瀬戸内国際芸術祭

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。