ラーメン屋のトロトロ半熟煮たまご 家庭で美味しく作るコツは「煮ない」?

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チャーシューやメンマ、キャベツ、もやしなど、ラーメンを彩る具には様々なバリエーションがありますが、最近、多くの店で見かけるのが“煮たまご”。半熟のとろっとしたたまごにスープと麺が絡みつくそのさまは、チャーシューやメンマなどにも劣らぬ魅力がありますが、これを家庭で作ったことがある人は、意外と少ないのではないでしょうか? そこで人気のラーメンさん屋に、煮たまごの作り方を聞いてみました。

ご協力を頂いたのは、サニーデイ・サービスのベーシストにしてラーメン研究家としても活躍する田中貴さん。田中さんに、都内最強の煮たまごを聞くと、駒込の「麺屋KABOちゃん」の名があがったので、さっそく厨房にお邪魔してみました。

「煮たまごって名前でよく勘違いされるんですけど、もうほとんどのラーメン屋ではたまごはそんなに煮ていません。なぜなら煮ると固茹でになってしまって、半熟のとろっとした食感が出ないから。さっと茹でて、あとはダシに漬けているんです」(店主・以下同)

なんと、“煮たまご”と名乗っていながら、煮てはいけないとは!

「まずたまごを茹でるコツは、沸騰してからたまごを鍋に入れること。沸騰する前だと、たまごの茹で加減にバラつきが出て、ジャストのたまごが毎回できません。だから煮立ったあとで入れます」

それでは具体的な手順を。まず熱湯に入れて6分半で、一番ふわふわなたまごが完成。そして水につけて一気に冷やすと、殻がむきやすくなります。つけ汁は、KABOちゃんではお店特製のスープダシを使っているそうですが、家庭では市販のダシをとればOK。そこに醤油を少々加え、しばらく煮てつけ汁を作り、そこにたまごを漬ければ、塩加減などで若干また固まるので、このときに絶妙な固さの煮たまごができあがります。

お店では、2日間寝かせて完成させているという煮たまご。ちなみに、たまごの殻はスプーンを使うと綺麗にむけるそうで、これは名店「凪」の店主から教わったのだとか。茹で時間の「6分半」に関しては、「6分を超えたら10秒ごとに固さが変化」するそうなので、何度か挑戦して、お好みの固さを研究してみて下さい。

※「麺屋KABOちゃん」 東京都北区西ヶ原1-54-1 営業時間:11:30~15:00、17:30~21:00

◆ケトル VOL.15(2013年10月15日発売)

【関連リンク】
ケトル VOL.15

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。