映画監督ウディ・アレン クラリネットに対する並々ならぬ情熱の背景

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映画監督としてたくさんの優れた作品を残してきたウディ・アレンですが、一方で彼は、映画監督や作家のほか、クラリネット奏者としても知られています。撮影などでニューヨークを離れるとき以外、毎週月曜日にはニューヨークのクラブで演奏する習慣を何十年も続けているのです。『アニー・ホール』がアカデミー賞を獲得した際も、授賞式に行かずにニューヨークで演奏していたのはあまりにも有名です。

アレンが、今ではほとんど演奏されることのない「ニューオリンズ・ジャズ」という古いジャズに傾倒したきっかけは13歳のこと。友人がラジオで録音したニューオリンズ・ジャズを聞かせてもらったことがきっかけでした。彼が当時もっとも尊敬していたのは、クラリネット奏者のジョージ・ルイス。その演奏に魅了されたアレンは、次第に自分でもクラリネットを演奏するようになりました。

それがどれだけ本気だったのか。アレンは17歳の時、ジーン・セドリックというクラリネット奏者に直接電話をかけ、“家庭教師”を依頼しています。レッスン料は2ドル。それでも少年のジャズに対する熱意に感動したセドリックは、わざわざアレンの自宅に行き、演奏を教えたのです。

それだけニューオリンズ・ジャズへの造詣が深いアレンですから、映画にも往年の名曲が何度も使われています。また、『スリーパー』などの作品では、自身もオーケストラに交じり、クラリネットの演奏を披露しています。

アレンは自身のジャズバンドを率いて97年にヨーロッパ・ツアーも行っており、その模様はドキュメンタリー映画『ワイルド・マン・ブルース』として作品になっています。ジャズライブの際にはメンバーとしか話さず、演奏してさっさと帰ってしまうため、サインが欲しいファンは演奏が終わった瞬間を狙うのが良いそうです。

◆ケトル VOL.16(2014年10月15日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。