大食い選手権を生んだ「TVチャンピオン」 本当にガチだった?

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専門家、オタク、マニアたちが、自らのスキルと知識を競い合うガチンコバトルバラエティ番組「TVチャンピオン」。1992年4月から2008年9月まで約16年にわたって放送されたテレビ東京の人気番組の1つです。

「和菓子職人選手権」「お花屋さん選手権」「全国大食い選手権」「汗かき王選手権」「文具王選手権」「全国温泉通選手権」など、これまで競技とみなされていなかったジャンルから、新たなバトルを生み出した画期的番組ですが、それゆえに収録時にはハプニングも多かったはず。全放送約700回中350回近くも番組司会を務めた中村ゆうじさんに、自身が経験したハプニングについて聞いてみました。

「台本は予定調和もないので、すべては実力と時の運です。純粋に数や量で競う競技が多かったですし、審査員もたいていは一般の人たちだから、こちらで誘導はできません。だから、有名な職人さんに出演してもらっても、すぐに負けてしまうこともザラ。某老舗店の職人さんが1回戦敗退という結果に納得できず、怒って帰っちゃったこともありました」

いくら何かのジャンルに秀でているとはいえ、出演者はテレビ経験などまったくない素人ばかり。しかも、競う種目によってはスタジオを飛び出し、あらゆる場所がバトルの会場となり得るだけに、臨機応変が求められる場面も少なくなかったようだ。

「『カレー王選手権』で八丈島でカレーを作ってもらったときには、用意された食材や水が普段作っているものと微妙に違うせいか『僕の求めるカレーができない……』と泣き出す選手もいましたし、『ラーメン王選手権』のときも、『頼んでいた食材が届かない!』と顔面蒼白になった選手がいたことも。ほかにも、予定していた会場が急遽使えなくなってしまい、渋谷の円山町の路上に急遽回答ブースを作って、いきなり路上ロケに突入したこともありましたね」

ただし、「予定外のことがあっても、それは採点には一切響かない。結果がすべてだというシビアな一面もありましたよ」ということだ。

◆ケトル VOL.22(2014年12月12日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。