バナナの皮とアルミ缶でデロリアンは動く? 科学的に考察

カルチャー
スポンサーリンク

2015年は、かの名作『BACK TO THE FUTURE』公開から30年にあたる年。同作では、デロリアンを動かすためにプルトニウムを盗んだり、落雷を利用したりと大変な苦労をしますが、ラストシーンで未来からやってきたドクは、“ゴミ箱のごみ”でデロリアンを動かします。果たしてそんなことは可能なのでしょうか。

未来に行ったドクがデロリアンに導入した「ミスターフュージョン」という電力供給装置。これは家庭の生ごみなどを投入すると、それを原子レベルまで分解。核融合を発生させるという驚異の装置です。実際にドクはPart1のラスト、未来に戻る際にバナナの皮やアルミ缶を投入してデロリアンを運転します。

廃棄されたアルミ缶から電気を作る技術はすでに発明済みです。ごみから分離したアルミニウムを水酸化ナトリウムと反応させ、水素を発生させて発電するのです。現在、この仕組みを使った家庭用発電機の発売に向けて、さまざまな企業が研究を進めています。

さらにバナナの皮も燃料にできる可能性があることがわかっています。2013年、トルコの女子高生・エリフ・ビルギンさんが、バナナの皮から環境に優しいバイオプラスチックを開発することに成功したことが世界中でニュースになりました。しかしこれがどうして未来の燃料につながるのでしょうか?

実は、プラスチックは固形燃料としてリサイクルできるのです。日本でも北海道の苫小牧に廃プラスチックだけで発電する発電所があり、約2万3000世帯分の電力を供給しています。タイムマシンを動かすほどではないにしろ、バナナの皮とアルミ缶はちゃんと燃料にできるようになっているのです。

◆ケトル VOL.24(2015年4月15日発売)

【関連リンク】
ケトル VOL.24

【関連リンク】
ウディ・アレン監督がかけている黒縁メガネはどこで手に入る?
SIMI LAB・OMSBが語る「まわりが見えてない」強さ
最近の若者について井筒監督「常識がないわけではないがモノを知らなさすぎ」
日本映画研究に没頭した大瀧詠一 作品世界に入り込む「映画カラオケ」とは?

※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。