頭をぶつけてアイデアがひらめくことは本当にある?

学び
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今年で公開から30年を迎えた映画『BACK TO THE FUTURE』は、ご存知の通りタイムトラベルがテーマの作品。過去や未来を自由に行き来できるタイムマシン「デロリアン」を作り出したドクは、トイレで転んで頭をぶつけた衝撃でタイムトラベル理論を思いつきましたが、頭をぶつけたことで才能に目覚めた例は実在します。

2006年10月、アメリカ人のデレク・アマートさんは、友人宅のプールに飛び込んだ際に、底が浅かったため頭をぶつけ、重度の脳震盪を起こしてしまいます。彼は一時的に聴力を失調。病院では脳に障害が残る可能性があると診断されましたが、後に意外な才能に目覚めたことがわかります。音楽の教育を受けたことがなかったのに、ピアノがすらすらと弾け、作曲もできるようになっていたのです。

事故前は仕事にめぐまれずホームレスの経験さえあったそうですが、現在はプロのミュージシャンとして活動しており、2枚のアルバムを発表。頭痛やめまいなどの後遺症はあるものの、天からの授かりものに対する代償だと語っています。

脳に刺激を与えることで潜在能力を引き出そうとする試みは、実際に行われています。オーストラリアのシドニー大学で神経科学の教鞭をとるアラン・スナイダー博士は、脳に電気ショックを与える方法を提唱しており、実際に論文も発表。ただ、人工的に潜在能力を引き出そうとするやり方の成功例は、未だにないようです。

◆ケトル VOL.24(2015年4月15日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。