ドラえもんのひみつ道具「タイムマシン」は理論的に可能?

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公開から今年で30年を迎える映画『BACK TO THE FUTURE』は、タイムマシンで時空を超える物語。日本人にとってもっとも身近なタイムマシンは、おそらく藤子・F・不二雄の『ドラえもん』に登場する「ひみつ道具」でしょうが、これをたかが漫画と侮ってはいけません。そこにはきっちりと“科学的裏付け”が存在するのです。

22世紀からやってきたネコ型ロボットのドラえもんが、のび太たちを乗せてさまざまな時代を行き来するタイムマシンは、「タイムホール」と呼ばれる穴を通って移動するもの。これはタイムトラベル研究において長年議論されてきた「ワームホール」を参考にしたもので、相対性理論を提唱したアルバート・アインシュタインが研究していたテーマのひとつです。

想像を絶する重力のため宇宙空間に特異点という“穴”を空けてしまうブラックホール。そこでは時間の流れが歪んでおり、過去も現在も存在しないと考えられています。そしてこの穴の先にあるのがホワイトホールで、そのふたつを結ぶトンネルがワームホールなのです。

この時空の歪んだ空間に入ることができれば、自分の好きな時代に行くことができるようになるかもしれない。ワームホールを題材にしたSF作品はそういった発想から描かれているのですが、ブラックホールは光を含むあらゆるものを分解してしまうため、どれだけ丈夫なタイムマシンでも突入に耐えることはできないと言われています。

『ドラえもん』には、「時間」に関する道具が他にもたくさん登場します。部屋を丸ごとタイムスリップさせる「タイムルーム」、昔のことを調べられる「タイム虫めがね」、そして魂だけを昔の自分に憑依させる「タマシイム・マシン」などというものも。作者のSF的想像力の豊かさを感じさせられます。

◆ケトル VOL.24(2015年4月15日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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