小学校を退学になった黒柳徹子 彼女を“いい子”にしてくれた場所

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6月14日発売の雑誌『ケトル』は、特集のテーマとして黒柳徹子さんをピックアップ。「黒柳徹子年表」「徹子を愛したお友達」「『徹子の部屋』から学ぶ“小学一年生力”」など、黒柳さんにまつわるあらゆる情報を紹介しています。今回は、彼女の人生を決定づけた「小学校退学事件」について紹介します。

いまでこそ黒柳さんの尽きない好奇心は美徳として語られていますが、過去にはその好奇心のせいで“問題児”扱いされていたことがありました。授業中、教室の窓からチンドン屋やツバメの巣に話しかけたり、何か知りたいことがあると先生を待ち伏せして質問攻めにしたり。

その結果、困り果てた担任教師から「おたくのお嬢さんがいるとクラス中の迷惑になります!」と、たった3か月で小学校を退学になってしまうのです。その後、転校先の「トモエ学園」での思い出を1冊にまとめたものが、大ベストセラーとなった『窓ぎわのトットちゃん』です。

トモエ学園の学校生活はユニークで、教室はいまでいうフリーアドレス。勉強は好きな教科から始めてよくて、優劣をつけられることもありません。自分の意志が尊重される環境は、トットちゃんにとって最高の学び場でした。

とはいえ、そんな前衛的な学校に転校したからといって、トットちゃんが突然“いいコ”になるわけでもなく、と畜場の牛を真似して「今日は1日、牛肉」と1日中、鉄棒にぶら下がってみたり、トイレにお財布を落として汲み取り口を掘り返したり……。

でもその一方で、身体の不自由な子にも偏見なく接することや、いじめっ子には「むしゃぶりついて」でも立ち向かうことも。そんなトットちゃんに対して、校長の小林宗作先生は折に触れかけてくれた言葉があります。「君は、“本当は”いい子なんだよ」。この言葉の「本当は」には、こんな意味が込められていました。

「“いい子”じゃないと人に思われることがあっても、君の“本当の”性格は悪くなくて、いいところがある」

この真意に気づいたのは黒柳さんが大人になってからだそうですが、もし悪い子のレッテルを貼られ続けていたら、どうしたらいいかわからないまま大人になっていた、と小林先生への感謝を綴っています。

人から見れば規律を乱すような行動やヘンテコな発言も、そこにはその人なりの理由がある。だから自分は自分のままで、好奇心にだって忠実に。“問題行動”も個性として、まるごと肯定してもらえたことが、いまの黒柳さんを形成しているのです。

◆ケトル VOL.31(2016年6月14日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。