女優・黒柳徹子 役になりきるためにマニキュアまで徹底的に研究

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今年放送された『トットてれび』(NHK)で、5年ぶりにテレビドラマに出演した黒柳徹子さん。基本的に女優としての活動は舞台がメインで、一番好きな場所は舞台の上だといいます。もともと勉強熱心なことに加えてニューヨークで習得した演技法も活かし、黒柳さんの役作りは徹底的です。

代表作のひとつ『マスター・クラス』のマリア・カラスを演じた際には、文献や音源資料、数少ない映像資料も調べ、カラスが108kgから58kgまで痩せたときの歌声の違い、彼女の趣味だったマニキュアまでも研究。海運王・オナシスとの道ならぬ恋や実母や姉との確執も頭に叩き込み、役になりきったそうです。

「修練と勇気、あとは全部ゴミ!」──黒柳さんは舞台に立つときに必ず、カラスのこの言葉を思い出すそうです。他のモノが見えなくなるほど、舞台は黒柳さんにとって大事なものだから。

「お客は敵。スカラ座の舞台で客に参りましたと言わせてこそ歌手」というカラスの言葉に対して、「お客さんは味方。せっかく観にきてくださったのだから喜ばせたい」と真逆のことを言っていますが、それはアプローチの違いなだけで、舞台にかける熱量はきっと同じ。演じる役柄を選ぶ基準は「その人物に共感できるか」だという黒柳さんは、きっとそんなところにカラスと自分を重ねたのでしょう。

◆ケトル VOL.31(2016年6月14日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。