黒柳徹子 「ボスニアでスパイ容疑で逮捕」事件の真相

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『徹子の部屋』や『世界ふしぎ発見!』などで活躍する黒柳徹子さんが、もうひとつ情熱を傾けているのが社会貢献。『窓ぎわのトットちゃん』の印税で設立した「社会福祉法人トット基金(日本ろう者劇団)」や、パンダ保護のための「世界自然保護基金(WWF)」、そしてユニセフの親善大使など、それらの功績は枚挙に暇がありません。

特にユニセフでは毎年のように発展途上国を訪れ、貧困や内戦の犠牲になり苦しむ子どもたちを視察し、精力的に支援活動を行います。黒柳さんが社会貢献活動に尽力する根底には、トモエ学園(黒柳さんが通った私立小学校)で学んだ「みんな一緒に」という平等の精神があるといいます。

そんな活動をする中で起こった黒柳さんらしいエピソードがあります。1996年、ユニセフの番組の撮影のため、テレビ朝日の取材班とともに訪れたボスニアで、ある事件に巻き込まれてしまいました。サラエボからモスタルに移動する道中で、バスごと地元警察署に連行され、拘束されてしまったのです。

そこはつい最近まで抗争を繰り返し、いつ命を狙われてもおかしくないような地域。スタッフの間で「これはヤバい」という空気が流れたとき、黒柳さんは突如、舞台『幸せの背くらべ』で演じた92歳の老婦人の口調で話し始めたのです。「まったく、こんな老い先短い私を捕まえて、何になるのかしらねえ!」

これにスタッフたちは爆笑し、張り詰めていた空気が和らいだとか。人を楽しませる気遣いと遊び心は、テレビに出演しているときも異国の地で危機的状況にあるときも、変わらずにあるのでしょう。ちなみにこの事件の情報が日本に届くまで、複数の機関を通じて事実が曲がって伝達し、なぜか「黒柳徹子逮捕 スパイ疑惑」と報道されてしまったというオチもあったそうです。

◆ケトル VOL.31(2016年6月14日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。