「キリンはどこが長い?」 「首」「脚」「舌」以外のもう1つの正解

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突然ですが、質問です。キリンはどこが長い動物でしょう? 「首が長い」「脚が長い」「舌が長い」──もちろんどれも正解ですが、京都市動物園に行けば、キリンの意外な長さに気づくことができます。

京都市動物園は1903年に開園した、日本で2番目に歴史のある動物園。昨年11月のリニューアルを機に、“近くて楽しい動物園”として生まれ変わりました。その新しいスタイルを象徴する1つが、キリンを見るための木道(陸橋)です。

同園で飼育するキリンは、くっきりとした模様がかわいいアミメキリン。最年長のキヨミズ(オス 17歳)をはじめ、ミライ(メス 15歳)、メイ(メス 3歳)、生後2か月の赤ちゃんキリン(オス)の4頭がいます。

木道はキリンのいるグラウンドに沿って設置され、高さは3.5メートル。お客さんがそこに立つと、キリンと同じ目線になるのです。今までは地上から見上げることしか無かったキリン。顔を間近で見ると、メイにはおどけなさが残り、キヨミズには渋い貫禄がにじむなど、個体によって全然違うことが分かります。

つぶらな瞳で見つめられるだけで幸せな気分になりますが、ここで注目したいのはまつ毛の長さ。同園に16年勤める獣医師の岡橋さんは、「さすがに測ったことないなぁ」と首を傾げますが、その長さは目測3~4cm。下まつ毛も2cmほどあり、ギャルのつけまつ毛よりも断然長いのです。

まつ毛が長い理由は、強い陽射しやホコリから目を守るため。思えば、キリンはサバンナで暮らす草食動物。肉食動物が襲ってくるのをいち早く察知できるよう、サバンナを見渡せるほど視力が良いといわれています。一説では7~8km先の仲間とコミュニケーションがとれるとか。つまり、キリンの大きい目は広い視野を確保するために横に張り出ており、長いまつ毛はそれを保護する意味で重要な役割を果たしているのです。

◆ケトル VOL.33(2016年10月14日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。