ハイエナは悪者ではない? ハイエナは究極にエコな動物

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「獲物を横取りする」「死肉を漁る」といった行為を「ハイエナのよう」と表現するように、「ハイエナ」という動物には悪いイメージを持っている人が多いのではないでしょうか? しかし実際はそうではありません。

ハイエナは大きく分けて4種類います。中でもブチハイエナという種類は体が大きく、足が速いため、とても狩りが上手。実に6割以上の食物を自分たちで獲っているといわれています。彼らの武器は、なんといっても屈強なアゴ。一説によると、1平方センチメートルあたり70kgの破壊力があり、他の肉食動物が食べられない骨や硬い死肉まで噛み砕くことができるのです。

埼玉県にある大宮公園小動物園では、その驚異的なパワーを間近で観ることができます。同園で飼育するホシ(オス推定16歳)とキラ(メス推定14歳)のうち、どちらか1頭が登場するガリガリタイムです。牛のあばら骨を与えられると勢いよく噛み砕き、およそ3分で完食する迫力は、サバンナで生息する野生の姿そのもの。

「普段の餌は鶏頭とか鶏のむね肉。それでは歯ごたえが無くて、自慢のアゴの力が衰えてしまう。だからアゴを鍛えるために始めました」と、飼育担当の白井さん。ガリガリタイムは土曜・日曜・祝日の午後1時30分から行われ、大きなウシの大腿骨をあげることもあるそうです。

硬い骨を噛み砕くアゴだけでなく、骨を溶かす消化機能を併せ持っているのがブチハイエナのスゴいところ。

「胃酸でなんでも溶かします。だから、ウンチは消化しきれなかったミネラル分やカルシウム分だけで非常に少ない。色は真っ白。無臭でパサパサ。まるで石ころのようです」

ハイエナがいなければ、アフリカのサバンナは骨だらけになっていたかも!? 本当はエコな動物なのです。

◆ケトル VOL.33(2016年10月14日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。