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前川喜平・前事務次官に「正義感」を植え付けた高校時代の経験とは

加計学園騒動の真相が明らかになる日は来るのか
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『神童は大人になってどうなったのか』 著:小林哲夫

世の中には、とんでもなく勉強ができる人が一定数存在し、彼らは「神童」と呼ばれる。前・文部科学省事務次官の前川喜平も、そんな神童のひとり。将来、2017年という年を振り返る際、必ず語られるであろう事件が、加計学園の獣医学部認可問題だが、そのキーマンの過去を振り返ると、その経歴はまさに神童の名に相応しい。『神童は大人になってどうなったのか』(小林哲夫・著 太田出版)では、前川の“神童ぶり”を伝えるエピソードを紹介している。

 * * *
前川は1955年生まれ。麻布中学、高校を経て東京大学文Iに入学する。1971年、麻布で高校闘争が起こった。同校の校長代行が不正な経理に手を染めたり、理不尽な理由で生徒を処分したりなど、むちゃくちゃな圧政を敷いたことに対する生徒、一部教職員の造反である。

このとき、前川は麻布高校の2年。かつての同級生は、前川の筋の通し方は、麻布闘争の経験が大きいのではないかと見ている。学校という権力に立ち向かう空気に身を置いていたことが、神童に「正義感」を植え付けたようだ。

一方で、前川の麻布時代は成績優秀だった。小学校時代から成績はトップを続けていたが、家にこもってしまう視野狭窄型のガリ勉タイプではない。友だちが多く、さまざまな遊びにチャレンジした。これらを通して物事の本質をすぐに理解してしまう天才型だったという。

東京大学法学部を経て文部省へ。国家公務員上級試験(現、総合職試験)には1ケタの成績で合格したという噂があるほど、試験にもめっぽう強かった。そして、官僚としての事務処理能力は抜群だった。官僚はだいたい入省3年目ぐらいで将来の事務次官候補が同僚や先輩から見定められる。前川は仕事の手際の良さ、教育に対する理念、省内のみならず政府内での人あたりのよさから、必ず事務次官になると言われていた。

2005年、小泉純一郎政権時代、前川が初等中等教育局幹部だったころのことである。公立小中学校の教職員給与の国負担分を2分の1から3分の1に引き下げるという政策には、自らの名前をもじった「奇兵隊、前へ!」と題したブログで「政治的な圧力の弱い分野が狙われている」と批判している。こうした抵抗勢力にもかかわらず、文科省トップになれたのは、先輩、同僚から支持されていたからである。

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神童は、しばしば「ただひたすら勉強だけができる人」に堕しがちなものだが、そこに正義感が備わっていた前川。氏の年齢(62歳)を考えると、まだまだ活躍が期待できそうだ。(文中敬称略)

◆『神童は大人になってどうなったのか』(小林哲夫・著 太田出版)

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