東京画 国際写真展『SHIBUYA – TOKYO CURIOSITY』開催レポート

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1月2日~8日、渋谷ヒカリエ8FのギャラリースペースCUBE1,2,3にて、写真展『SHIBUYA-TOKYO CURIOSITY』が開催された。

この展覧会は、東京都、渋谷区、パリ市、パリ四区、そしてドイツ大使館による後援のもと、「東京の未来を象徴する渋谷」の現在と都市の魅力、その多様性や可能性をテーマに催された国際写真企画展だ。

主催の東京画は、2011年の東日本大震災を受けて立ち上げられた写真を通じたアートプロジェクトで、国内外の100人の写真家とクリエイターが参加する。展示では世界中の魅力的な年に共通するDNAである「好奇心(CURIOSITY)」をキーワードに、写真家たちそれぞれの視線の先にある渋谷をパノラミックに表現。会場には31名の作品による100点の組写真一点と、国内外で活躍する21名の作家によって「渋谷」をテーマに撮影された映像作品が展示された。

メインの展示である組写真は、所幸則さん、蓮井幹生さん、大和田良さん、大西みつぐさん、エドワード・レビンソンさん(アメリカ)、セバスチャン・ルベーグさん(フランス)、ギュンター・ツォーンさん(ドイツ)など、国内外の著名な作家による作品で、本展示を主宰するNPO法人東京画代表の太田菜穂子さんのキュレーションによって年代や作風の壁を超えてアーカイブ。太田さんは、

「写真は時代と共に生きている。様々な時代を創り出してきた渋谷を、写真というメディアを通じて多様なニュアンスの言葉にして発信することで、世界中の人々に日本の文化を知ってほしい」

と、本企画にかける思いを語った。

会場では作品が実際に撮影された場所の環境音が収録された音源が流れ、まるで渋谷の街を実際に歩いているような感覚で観覧することもできた。

本展は渋谷での開催を皮切りに、2018年~2020年にかけて、パリ、ベルリンなどのヨーロッパ各都市を巡回した後、2020年に再び渋谷での開催を予定している。

4日には渋谷区の長谷部健区長、ドイツ大使のハンス・カール・フォン・ヴェアテルン閣下、シャネル日本法人社長のリシャール・コラス氏が出席し「渋谷 東京好奇心2018-2020」の船出を祝うセレモニーイベントが開催された。長谷部区長は、

「“ちがいを ちからに 変える街”の実現を目指す渋谷区は、エンターテインメント、アート、イノベーションを集めていく。その中で『東京画』が逆輸入といった形で渋谷に入ってくることは渋谷の街を好きになってもらうための追い風になっていく」

と語った。また、ドイツ大使のH.K.V.ヴェアテルン閣下は、

「ベルリンと東京は2019年に姉妹都市提携25周年を迎える。文化的背景や言葉が関係無い写真には、世界の距離感を縮める力を持っているため、パリ展の後『東京画』がベルリンに巡回してくることは素晴らしい」

と、期待の声を寄せた。

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。