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傘、手錠、自転車… ジャッキー・チェン作品を彩ってきたモノ図鑑

Amazonより
『ケトル VOL.40』 著:ジャッキー・チェン、中川翔子、入江 悠、岡田壯平、青柳文子、髭男爵 山田ルイ53…ほか

時計台から落ちたり、高層ビルのガラス張りの斜面を滑り降りたり、とにかく何でもやりすぎることで伝説を生み出してきたジャッキー・チェンですが、「イス」に代表されるように、小物を使ったアクションも得意としています。その1つが「傘」です。

正義感は強いがおっちょこちょいな面がある刑事チャンを演じた『ポリス・ストーリー』では、ジャッキーは何度も目の前で悪党に逃げられます。それを必死に追いかけるのが映画の山場になっているのですが、特にジャッキーらしい“あきらめの悪さ”が表れているのが、犯人が乗り込んだ2階建てのバスを追いかけるシーンです。

普通ならクルマで追いかけるところをジャッキーは走って追いかけ、ギリギリのところでバスに手持ちの傘を引っ掛けてしがみつきます。走行中のバスに何度も振り回されながらも手を離すことなく、ついにはバスに乗り込み犯人を逮捕するのです。アクションは真似できなくても、このあきらめない精神は見習いたいものです。

一方、名作『プロジェクトA2』で使ったのが「手錠」です。大ヒット作の続編である同作は、前回の成功が大きいものであったため、「次に何をやってくれるのだろう?」という期待にさらされていました。しかし、身近なものを活用したアクションを信条とするジャッキーは、素手のバトルや逃亡劇といった基本は崩さずに、観客に新鮮な驚きを与える表現を考える必要がありました。そこで思い付いたのが、手錠をすることで、あえて動きに制限を加えたアクション。敵の署長デビット・ラムと手錠でつながれたまま海賊との戦いを繰り広げます。

基本的な展開は前作と同じでも、手錠が加わったことで、何をするにも邪魔になる。柵を飛び越えようとしたら手錠が引っ掛かってうまくいかず、相手を殴ろうとしたら鎖で引き戻されたりしてしまうのですが、『A2』はそうしたアクシデントがすべて笑いに変えられ、続編のマンネリに陥ることを見事に回避しています。

そしてファンの心に強く残っているのが、『プロジェクトA』に登場した「自転車」です。ジャッキーは「格闘シーンをダンスのように撮りたい」と語っていますが、彼のそうした哲学は、バトル以外の部分にも表れています。

例えば『プロジェクトA』で悪党から逃れるため、自転車で細い路地を疾走するシーン。ジャッキーはそこで曲芸のような見事な乗り方を披露しているのですが、乱暴に振り回したために、自転車のサドルが抜けてしまい、パイプの部分がお尻に刺さるところがオチになっています。

派手なスタントに驚くというよりも、思わずクスッと笑ってしまうワンシーンですが、これをやるほうは大変。少しタイミングがずれただけで転んだり、壁にぶつかったり、あるいは本当にお尻に刺さったり……。狙い通りのリズムを掴むまで何度も撮り直したそうです。

ジャッキーは言っています。ダンスのようにアクションを撮るためには、とにかくタイミングが大事。あとは成功するまで繰り返す。ジャッキーは何気ない場面にもそうしたこだわりを貫くことで、映画全体にミュージカルのような躍動感を与えているのです。

◆ケトル VOL.40(2017年12月14日発売)

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