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お笑い

なぜ「北の国から」の五郎のモノマネはドラマを観たことなくても面白いのか?

知らないのになぜ笑える?
知らないのになぜ笑える?
Amazonより
『ケトルVOL.41』 著:仲世古善、大根仁、山下澄人、成馬零一、津田大介

モノマネというものは本来、本物を知っているから面白いもの。しかしタレントが披露するモノマネの中には、本物を知らないのに笑えるものがあるから不思議です。お笑いコンビ「COWCOW」のツッコミ担当・善しさんは、「北の国から」の五郎(田中邦衛)のモノマネでお馴染み。しかしいわゆる「モノマネ芸人」ではないのに、どうしてこのネタを十八番にしたのでしょうか?

「五郎さんのモノマネ自体は、実はかなり前からやっているんです。それこそデビュー2年目くらいからです。大阪の小さい舞台とかローカルの深夜番組とかでやってましたね。当時はちょうど『’95秘密』が放送されていた頃でしたから、本ネタというよりも、ちょっとした遊びの感じでやっていたんです」

それを善しさんが本格的にレパートリーとして使い始めたのは、東京に進出してからのことだとか。このネタが、後にピン芸人ナンバーワンを決める「R-1ぐらんぷり」の決勝進出にもつながり、COWCOWの知名度を全国区にしましたが、なぜ元ネタを知らなくても、モノマネが面白いと感じられるでしょうか?

「五郎さんという人自体が、意外と喜劇的なキャラクターやと思うんです。僕は大阪時代には、映画の『学校』や『みんなのいえ』に出ていたときの田中邦衛さんのモノマネもしていましたが、当時からウケるのはやっぱり『北の国から』でした。最初はみんなが元ネタを知っているからやと思っていましたけど、五郎さんを知らない世代の前でやっても、やっぱりウケるんです。これはもう五郎さん自体が面白いんやろうなって。

頑固おやじだけど、決して怖い人じゃなく、むしろ情けないところも多い(笑)。よく見ると、すごくかわいげのある田舎のおっちゃんなんですよね。そういう人だから、僕がネタで『もし五郎がヨガ教室をやったら……』とか『もし五郎が英会話教室の先生だったら……』とかやると、ギャップが出て面白くなる。だから元ネタを知らない小学生とかにも、笑ってもらえるんやろうなって思います」

そんな五郎のモノマネをする際に、善しさんが大切にしているポイントとは?

「必ず決めているのは、まず実際に言っているフレーズからスタートすること。『おい純!』とか『螢ぅ』みたいに、五郎さんのものまねをする人ならみんなやるところから始めて、『中ちゃんよぉ(中畑和夫のこと)』とか『この人参はまだ食べれるだろぅ』みたいに、徐々にマニアックなセリフにしていく。ネタではそういうのを積み重ねて、一気にどーんとズラして、絶対に言いそうにないことを言う。段階を踏んでから変なことを言うと、受け入れられやすくなります」

つまり、似せるためのテクニックというよりも、まず「こういう人がいる」とお客さんに伝えることが大事?

「そもそも僕のモノマネは、よく『似てない』って言われます(笑)。でも街を歩いていると『五郎だ!』と声をかけられるようになった。それはやっぱり、五郎さんというキャラクターがすごく完成されているから、それっぽく演じるだけで、こういうおっちゃんが本当にいるように見えるからだと思います。コンビでも目立たないほうの僕が、こんなふうに注目されるきっかけをくれた五郎さんは、芸人としての自分の価値を高めてくれた本当にありがたい存在ですね」

◆ケトル VOL.41(2018年2月14日発売)

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