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AIの最先端を走る中国 便利と監視はトレードオフの関係?

ここ1~2年、ニュースなどで耳にするようになった単語が「シンギュラリティ」。これは、AI(人工知能)が発達し、人間の知性を超えるポイントのことを表す単語だが、世界でもAIで最先端を走るのが中国だ。中国ではAIがどのように活用されているのか? 『図解でわかる 14歳から知っておきたい中国』(太田出版/北村豊・監修/インフォビジュアル研究所)では、このように説明している。

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中国のIT技術の発達はめざましく、AI(人工知能)を使った最先端技術の導入も積極的に進められてきました。例えば大手IT企業アリババグループは、国内のみならず海外の商品も扱うECサイト、スマートフォンで手軽に融資申し込みができるモバイル決済、財布をもたなくても顔認識システムで買物ができる無人コンビニなど、様々なインターネットビジネスを展開し、多くの顧客を獲得しています。こうして集められた膨大な量の顧客データは、AIによって管理・分析され、顧客一人一人に対するきめ細かいサービスの提供に役立てられています。

しかし、個人情報というビッグデータを最も活用しているのは、中国の公安当局だといえるでしょう。例えば「天網」と呼ばれる巨大なAIセキュリティシステムは、犯罪容疑者のビッグデータと、国内各所に設置されたAI監視カメラを連動させたもの。監視カメラにはGPSと顔認識装置が搭載されており、犯罪者の画像データベースと照合して、道行く人の中から該当者を探し当てます。しかも発見された人物は画面上で追尾され、自動的に警察に通報されるという仕組みです。

また、AI音声認識システムを使った「天耳」は、公安当局が集積した声データをもとに、公衆電話からの声だけでテロリストを特定できるといいます。このほか交通違反の取り締まりや学校のいじめ対策としても監視カメラが導入されており、「安心安全のため」といえば聞こえはいいのですが、人権を無視した監視システムだと批判する声もあがっています。

ネット上でも、数万人規模のサイバーポリスが常に情報を監視し、反政府的な内容が掲載されていれば、たとえ個人のブログであってもブロックされてしまうのが中国の実情です。最先端技術がもたらした暮らしの便利は、国家が個人を管理する社会の危うさと表裏一体なのです。

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IT技術の発達によって便利さを享受できる分、政府の監視も進むというジレンマに悩む中国。もしかして、シンギュラリティに到達する頃には、AIがそのジレンマを解決してくれるかも!? 同書ではこのほか、大国・中国がかかえる社会問題、現代中国の普通の暮らし、中国社会の基礎となる中国共産党などをわかりやすく図解と文章で解説している。『図解でわかる 14歳から知っておきたい中国』(太田出版/北村豊・監修/インフォビジュアル研究所)は、2018年7月11日(水)発売。1200円+税。

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