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安田顕 『愛しのアイリーン』は「自分の代表作になるかもしれない」

映画『愛しのアイリーン』(原作:新井英樹)ポスター・ビジュアル
映画『愛しのアイリーン』(原作:新井英樹)ポスター・ビジュアル
Amazonより
『クイック・ジャパンvol.139』 著:西加奈子

新井英樹の『愛しのアイリーン』が、連載開始から23年を経て実写映画化され、9月14日から公開されている。同作は、吹き溜まりのような寒村に突如現れた外国人妻・アイリーンと、彼女をとりまく人々の欲望の姿を描いた物語。主演の安田顕が演じる岩男は、原作では熊のような大男という設定だが、そのことに不安はなかったのか? 2018年8月21日発売の『クイック・ジャパン』vol.139で、安田はこう語っている。

「結果的には違っていてよかったですかね。自分で言うと偉そうに聞こえてしまうかもしれないですが、映画を観たときに自分でも、『ああ、岩男がいるな』と思ったんです。ただ、撮影中は怖かったですよ、付け焼き刃でできることではないですから。僕は不器用なので、たとえ思い込みでもある程度は自分自身を岩男として追い込んでいかないと演じられないというか、そうするとどうしても自分の中にある本質みたいなものが芝居の中にも出ちゃうと思うんです。ましてやこれだけ役にのめり込んでしまうと……」

人間の醜さをそのまま体現したようなシーンについては、「見ていてゾッとするというか、落ち込みました」と語る安田。しかし、現実離れした怪物のような岩男として過ごした時間は、彼にとって得難い経験となったようだ。

「早く解放されたいという思いもあったし、もっともっと岩男と一緒にいたいという思いもあったので。ただ、夏の撮影が終わって(撮影は夏と冬の二度にわけて行われた)家に帰ったとき、ひょっとしたらこれは自分の代表作になるかもしれないと妻に言ったことは覚えています」

2018年だけでも『不能犯』『北の桜守』『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています』と、3本の映画に出演している安田。撮影が終了して公開を待つだけになった今、「代表作になるかも」という予感はあたったのだろうか?

「どうでしょうね? ただ、確実に自分の中にきっちり楔を打ってくれた作品になったと思います。ほかの人がこの役をやっているのを見たら悔しかったと思いますし、演じられて心からよかった。一度観たらしばらくは観たくないというぐらいに、心をえぐられますけどね(笑)」

クズにして無垢、強暴にしてキュートな宍戸岩男を安田はいったいどう演じたのか? 『愛しのアイリーン』は2018年9月14日(金)より全国公開中。

◆『クイック・ジャパン』vol.139(2018年8月21日発売/太田出版)

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