the pillows山中さわお 断る準備を一転させた鶴巻監督の熱意

カルチャー
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ありとあらゆるカルチャーをぶち込み、少年が大人になる“青春狂走曲”を奏でた『フリクリ』。その完全新作となる『フリクリ オルタナ』が9月7日に、そして『フリクリ プログレ』が年9月28日に相次いで劇場公開された。同作は、全編に渡って響き渡るthe pillowsの爆音ギターが重要な役割を果たしているが、彼らはどのような経緯で『フリクリ』に曲を提供することになったのか? 2018年9月22日発売の『CONTINUE Vol.55』で、the pillowsの山中さわおはこう話している。

「あるときレコーディング中のスタジオに行ったら、テーブルの上に絵コンテじゃないけど、ラフのキャラクターのデザインがあって。それで、またキングレコードがタイアップのことを言ってくるんだ、みたいな(笑)。その頃は、もう、タイアップで自分の音楽を世の中に知ってもらおうっていうのは嫌になっていたんですよ。

それで、もう断る準備はしてたんですけど、そしたら、プロモーターが政治的にねじ込んだものではなくて、監督の鶴巻さんがthe pillowsの音楽をちゃんと知っていて、好きで依頼が来たっていうので。そうなると話は一気に違う(笑)。であればやりましょうかっていう。そういうのが始まりでしたね」

作品を見た時は、内容がぶっ飛んでいたため、「内容がまったく入ってこない」という状態に陥ったものの、「最終的にはすごい好きになった」という山中。続編が決まるまでには実に17年を要し、感慨もひとしおだったようだ。

「もう諦めてたんですよね、『フリクリ』の続編が出るのを。2000年に出て、国内外でとてつもなく新しい出会いがあって、thepillowsのファンもすごい増えて、続編やんないかなと思ってたんだけど、全然やんない。全然やんないじゃないかと思って5年経ち、10年経ち、もうあるわけはないと思って諦めた頃、急にやるっていう。いまになってまさかのっていう」

そして『オルタナ』と『プログレ』にそれぞれ1曲ずつ『Star overhead』と、『Spiky Sees』という曲を提供したthe pillowsは、9月5日にセルフカバーアルバム『FooL on CooLgeneration』を、9月19日には22枚目のオリジナルアルバム『REBOADCAST』をリリース。山中は、

「『フリクリ』のサウンドトラック以外もフィットする曲がたくさんあると思います。いまは海外でも、いろいろ手に入ると思うので、もし『フリクリ』でthe pillowsいいなと思っていただいた方は、よろしくお願いします」

と、語っており、『フリクリ』の復活は創作活動の良い刺激になったようだ。

◆CONTINUE Vol.55(2018年9月22日発売)

【関連リンク】
CONTINUE Vol.55
劇場版「フリクリ オルタナ」「フリクリ プログレ」

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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