三四郎の『ANN0』 ラジオのセオリーに縛られない独自路線

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お笑いコンビ「三四郎」の『オールナイトニッポン0(ZERO)』(ANN0)が4年目に突入した。M-1やTHE MANZAIなどで活躍し、バラエティにも引っ張りだこの三四郎だが、彼らが担当しているのは、深夜3時から始める“2部”。売れっ子になり、1部に昇格したいという思いはないのだろうか? 『ケトルVOL.45』のインタビューで、三四郎の2人はこう語っている。

小宮孝信(以下:小宮) 「実はそれほど1部への執着はないんです。周りのリスナーからは『頑張ってください』と応援してもらうんですけど、それよりもずっとラジオを続けたい。1部に昇格してすぐ終わってしまうくらいなら、ここで長く続けたいと思っています」

相田周二(以下:相田) 「細々と流れに身を任せてね。10年くらいANN0でいいですね。若手が出てきても絶対にどかない先輩になる(笑)。木曜のANN0を担当している後輩の四千頭身が1部に昇格しても、僕らはずっとこの枠で。唯一要望があるとしたら、タクシーチケットが欲しいってことぐらいですね(笑)。1部はもらえるけど、ANN0だともらえないんですよ」

ギラギラした思いで“上”を目指しているかと思いきや、あまり欲を見せない三四郎の2人。そんな彼らを象徴するのが、彼らの番組内容だ。スペシャルウィークなのに、豪華なゲストを呼ばずに相田の自宅で餃子を作ったり、なかやまきんに君、あばれる君、パンサーの尾形といった、トークで勝負をするタイプではない芸人をゲストに呼んだりと、ラジオのセオリーから離れているのが特徴だ。

小宮 「なかやまきんに君の回は個人的にも思い出深いです。ノリが独特すぎて、ベテランMCでもサジを投げるような人ですから(笑)。あとは、相田がアルコ&ピースの酒井さんとうなぎを食べに行った話を延々40分もしゃべったこともすごく覚えています」

相田 「僕が印象に残っているのは、あばれる君がゲストの回ですね。暴君王を決める対決だったんですが、段々とカオスになって、お互い万歩計を口に咥えて数を競い合うっていう。最終的には相手の唾液に対するお互いのえずきで終わりましたからね。そもそも、『暴君ってそういうこと?』みたいな(笑)」

こういった番組スタイルは芸人の間でも好評で、「我が家」の坪倉由幸、もう中学生、パンサー向井などから「番組を聴いている」と言われたそう。2人はそれぞれ、「ラジオでファンになってくれた人は根っこの部分から好きになってくれているような気がしていて」(相田)、「『ラジオ聴いてます』って言われたほうが、やっぱりうれしい」(小宮)と語っており、『ANN0』を大事にする気持ちは本物のようだ。

◆ケトルVOL.45(2018年10月12日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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