プロレス大賞MVPの棚橋弘至 「自分が愛おしくなった」意識改革

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12月12日、2018年度プロレス大賞の選考委員会が行われ、棚橋弘至がMVPに輝いた。1月4日の東京ドーム決戦では、IWGPヘビー級王者のケニー・オメガとの一戦を控える棚橋だが、4年ぶり4度目のMVPとなった2018年は、棚橋にとってどんな1年だったのか? 新日本プロレスを特集した「ケトルVOL.46」のロングインタビューで、棚橋はこう答えている。

「今年は自分の力というよりも、ファンの方に後ろから押し上げてもらったような1年でしたね。特に5月4日の福岡大会でオカダ(カズチカ)のIWGPヘビーに挑戦したときは、ものすごい『タナハシ』コールだったんですよ。チャンピオンに対する判官びいきもあったと思いますが、あの辺りから空気が変わってきて、G1で一気に加速しました。応援してくれたファンの方々には本当に感謝しています」

近年は、長年の激闘で負ったケガにより、コンディションの悪化に悩まされてきた棚橋。今年も治療に専念するため2度の欠場を経験したが、自身の状態と向き合うことで、気持ちの切り替えをすることができたようだ。

「以前は良かった頃のコンディションと比較して、『前はできたのに……』という気分になっていました。でも、そういう気持ちをG1の前くらいから切り替えたんですよ。僕のケガは一生付き合っていかないといけない種類のものです。それだったら過去は振り返らず、今の自分が持てる武器を使って闘おう。そう考えるようになったら悔しい気持ちがなくなって、今の自分が愛おしくなりました。そこからですね、前向きな気持ちで試合に臨めるようになったのは」

今年の後半には何度も東京ドーム大会で激突してきたオカダ・カズチカと握手を交わし、まさかの“越境チーム”を結成するなど、常に話題の中心にいた棚橋。オカダとのチーム結成については、「具体的な計画があって動いたわけじゃないから、これからについて自分でもどうなるかわかってないです。今はとりあえずドームに集中しています」と述べているが、「でも、ここから何かが生まれて、2019年の新しい何かにつながっていくんじゃないかって期待感はありますね」と次の展開への含みをもたせており、2019年もこの人を中心に動いていくことは間違いなさそうだ。

◆ケトルVOL.46(2018年12月15日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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