最盛期の売り上げは39万部 成人誌のイメージを決定づけた『デラべっぴん』

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大手コンビニが8月いっぱいで成人誌の取り扱いを止め、成人誌の歴史は事実上終わった。そこで、アダルトメディア研究家の安田理央氏が、消えゆくエロ本への感謝と惜別の意を込めて上梓したのが、7月2日に発売された『日本エロ本全史』だ。

同書は1946年から2018年まで、日本のアダルト誌の歴史を創刊号でたどったもの。日本最大級のアダルト誌コレクターの安田氏が、アダルト誌創刊号コレクションから、エポックメイキングな雑誌100冊をピックアップし、オールカラーで紹介している。同書から1985年創刊の『デラべっぴん』(英知出版)を紹介しよう。

80年代中期はまさに成人誌の黄金期で、『ザ・ベストマガジン』は100万部を記録。それらを支えたのが、その時期に急速に店舗数を拡大したコンビニだったが、それから約30年後にコンビニは、躍進の“恩人”だった成人誌と手を切ったということになる。

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英知出版で最も売れた雑誌となった『デラべっぴん』。最盛期は39万部を売り上げた。創刊は1985年12月号だが、実はその前身として4ヶ月前に『大べっぴん』という雑誌があったが3号目で発禁をくらってしまったために『デラべっぴん』にリニューアルした。

最も売れた雑誌ではあったが、そもそもは『ベッピン』などで使用した残りの写真を流用して一冊作ってしまおうという考えで作られたらしい。実際、初期は本誌用に撮り下ろしたのは表紙と企画ページだけだったと言う。しかし、その企画ページこそが『デラべっぴん』の魅力であった。

様々なシチュエーションのカラミを分解写真的なアプローチで見せる「フォト激画」や、切り抜いて組み立てると動くブロマイドとなる「オナマイド」などが有名だが、アニメ専門誌以外では初めて「新世紀エヴァンゲリオン」を特集(全14ページ !)した雑誌としても知られている。

編集長が交代した1990年からは篠山紀信門下の小沢忠恭が巻頭を撮り下ろすなどグラビアにも力を入れ始めた。美麗なヌードグラビア、過激かつ作り込まれた企画グラビア、そして読み応えのある一色ページと、80年代・90年代の一般的なエロ本のイメージとなっているのが、この『デラべっぴん』ではないだろうか。しかし21世紀に入ると失速し始め、裏モノ路線にリニューアルするなど迷走を続けた末に2004年に休刊する。

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いくら時代が違うとはいえ、『デラべっぴん』が記録した売り上げ39万部という数字は、週刊文春や週刊新潮あたりの現在の売り上げと変わらない。ネットで手軽にエロに触れられるようになったことを、果たして進歩と呼んで良いものなのだろうか……。

『日本エロ本全史』(安田理央・著/太田出版)は2019年7月2日発売。3700円+税。

【関連リンク】
日本エロ本全史-太田出版

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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