テレ東深夜ドラマ『絶メシロード』 地方広告コンテンツがなぜドラマに?【インタビュー前編】

カルチャー
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2020年1月24日(金)から、テレビ東京「ドラマ25」で放送されるテレビドラマ『絶メシロード』。もともとは地方の広告コンテンツだった『絶メシリスト』が元ネタとなっているこの作品は、主人公に、映画『カメラを止めるな!』で主役を演じ、同作品で第42回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞した濱津隆之を起用したことでも話題になっている。いったいどんなドラマなのか? なぜ広告がドラマになったのか? 主演の濱津隆之氏と、同作のプロデューサー寺原洋平氏、畑中翔太氏の3名にロングインタビューを行った。(左から右へ。畑中翔太氏、濱津隆之氏、寺原洋平氏。)

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――まずは濱津さん、地上波ドラマの初主演おめでとうございます。

濱津:ありがとうございます。

――『絶メシロード』って、簡単に言うとどんなドラマなのでしょうか?

濱津:ごく普通のしがない中年サラリーマンが、週末金土の1泊2日を使って車中泊をしながら、行った先で、もしかしたら絶滅してなくなってしまうんじゃないかっていうようなお店の絶品メニューを求める番組ですね。

――もとは、『絶メシ』っていう、畑中プロデューサーが手掛けていた広告コンテンツが元ネタになっているという話ですけど、今回はどういった経緯で?

畑中:『絶メシ』をやっていたときに、同じ深夜の枠で、「日本ボロ宿紀行」がやっていて。日本のボロい宿を巡るようなドラマ。それを見ているときに、絶メシの哀愁とか『孤独のグルメ』みたいなものも含めて、この枠とかこの時間に、ドラマとしてすごくフィットするんじゃないかなって漠然と思っていました。それで、とりあえずテレビ東京さんへ持っていく企画書を作りました。寺原さんとは会ったこともなくて、初めはすごく警戒していて。

寺原:そうですね。最初は猜疑心しかなかったですね。

畑中:それが多分、5月とかかな。プロデュースしていただいて、面白いですねってなって、そこから企画を詰めていきましょう、みたいなことで始めていきました。

――寺原さんは、最初の畑中プロデューサーの印象はどうでしたか?

寺原:最初は広告会社の人たちにありがちな、コンセプト重視の方なのかなと思っていたんですよ。だけど実際に見てみたら、確かにこれは面白いなって。企画書を書いていただいて、進んでいくごとにスルスルっと、もしかして企画も決まるんじゃないかなっていう感じになってきました。急きょ、僕たちのほうでも具体的に詰めようって。設定とか、他の飯モノとかぶったら嫌だなとか。

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――グルメ番組になりますよね、普通だと。

寺原:そうですね。畑中さんと一番話をしたのが、しっかりとその人の生活が見えるようなものにしたいよね、ということ。足したのは、サラリーマンの悲哀しかないんですけど、そこの設定をどうすればいいのかっていう話をしました。車中泊って、普通のサラリーマンでドロップアウトするにはちょうどいいぐらいの話だよね、みたいなことで、どんどん詰めていった感じですね。

――そのとき、ドロップアウトするサラリーマンに、濱津さんをキャスティングするというなんとなくのイメージが、寺原さんの中では……。

寺原:多くのサラリーマンたち、僕も含めて、そんな行動力もないし、子どもとか奥さんとかもいたら勇気もないので、あんまり親しみが込められないような行動力ばりばりみたいな感じの人は嫌だなっていうのはありました。

――金曜の深夜って、ちょうどサラリーマンが疲れきっているとき。

寺原:疲れきっているときに、意識高い人とか、みなぎっている人って見たくないなって思って。

畑中:汗臭いとか、いいことを言おうとか、そういうのは止めようって話をして、サラリーマンへの平日お疲れさまドラマみたいな。どこから見ても「ああ良かった」と思える温度感みたいなものを最初から意識していました。(後編に続く)

* * *
『絶メシロード』は金曜夜24時52分から、テレビ東京系にて放送。

※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。