クイック・ジャパン vol.101 のコンテンツ

101号紹介「SIMI LAB」

2012.4.05 | 2012.8.01 updated

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特集 僕たちは<震災直前>を生きている

SIMI LAB
<震災直前>のストリート・ナレッジ

今、日本のラップ・ミュージックは何度目かのヌーヴェル・ヴァーグを迎えつつある。そして、数多のキャラクターの中でもSIMILAB(シミ・ラボ)が、ポピュラリティの点で際立っているだろう。昨年秋、発表されたファースト・アルバム『Page1:ANATOMYOF INSANE』の評判はシーンの外にも及び、先日、急逝した川勝正幸もフェイヴァリットに挙げていたのが象徴的だが、菊地成孔率いるDCPRGの新作にもフィーチャーされる等、彼等はポップ・カルチャーのネクストとして認知され始めている。いや、一見、SIMI LABが繰り広げるリズムの実験に、"ポップ"という言葉は似つかわしくないかもしれない。しかし、その探究心の
みならず、彼等の独自のネットワークの在り方にこそ、例の" 絆"という大袈裟な言葉に縛り付けられている、我々の窮屈な状況を解くための、新しいアイデアがあるように思えるのだ。言うまでもなく、それこそは、"ポップ"の伝統ではないか。(文・磯部 涼)