クイック・ジャパン vol.87 のコンテンツ

87号紹介「森山未來」

2009.12.04 | 2009.12.09 updated

05moriyama.JPG
「忘れてはいけない」と言えるのか
1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災の犠牲者は6000人を超え、自宅の全壊など被災した人数は30万人以上と言われる。その膨大な数だけの痛みがあり、それぞれ個別に大震災のとらえ方がある。いまも悲しみに苦しむ人、すっかり忘れて暮らしている人、つとめて忘れようとしている―被災者たちのその後の人生に正解はないし、「神戸は完全に復興した」と言いきるのも、間違いとは限らないだろう。忘れるって何だ? 語り継ぐとは何だ? そもそも、復興とは何だ? 震災から15年が経とうとしているいま、あらゆる自問が被災者たちの間にわきあがる。
ただひとつ、あの日に一瞬で多くの命が奪われた事実だけは揺るがなく、消えることはない。
長くもなく、短くもない15年を経たいま。「震災を忘れてはいけない」という、ひとくくりの表現で、
あの日の風景を「伝える」ことは可能だろうか。この課題に真摯に取り組んだ『未来は今~10years old,14years after~』(NHK)を、本誌は86号に引き続き特集しようと思う。
本作のナビゲーターを務め、10歳のときに自身も震災を体験した森山未來に、表現者としてどう「伝える」ことに向き合っているのか、聞いてみた。(文・浅野智哉)

Twitter:

Facebook:

Instagram:
フォローする