イルカ漁を収めた「ザ・コーブ」上映中止相次ぐ

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配給会社の『アンプラグド』は3日、和歌山県太地町のイルカ漁の様子を収め、09年度アカデミー賞ドキュメンタリー映画賞を獲得した『ザ・コーヴ(The Cove)』の東京での上映を中止すると発表した。

『ザ・コーブ』は、アメリカの写真家・ルイ・シホヨスによって撮影されたドキュメンタリー映画。古来より捕鯨の町として知られ、イルカの追い込み漁を伝統的に行ってきた和歌山県太地町のイルカ漁の様子を収めて高い評価を得たが、一方、撮影が隠し撮りであったこと、日本古来の食文化であり自治体も許可しているイルカ漁を批判的に描いたことで、一部で議論が起きていた。

『アンプラグド』は、6月26日から東京を皮切りに『ザ・コーブ』の上映を予定していたが、劇場への度重なる抗議電話や、劇場への街宣活動予告などを理由に上映を断念。予定していた「シアターN渋谷」「シネマート六本木」「シネマート心斎橋」での上映を取りやめた。

今回の件について『アンプラグド』の代表の加藤氏は、

「『ザ・コーヴ』は決して反日映画ではありません。映画の内容について深く建設的な議論をすることが必要であると考えています。日本を舞台に描かれた映画を日本の映画館で観る機会が失われることを残念に思います」

とのコメントを発表し、東京以外の劇場での上映を目指していくという。

※このページの画像はスクリーンショットです

【関連リンク】
・映画「ザ・コーヴ」オフィシャルサイト

※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。