『けいおん!』の脚本家「こんなに人気があるのは不思議」

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大ヒットを続けているアニメ『けいおん!』は、アニメファンはもちろん、それ以外の多くのファンを感動させただけでなく、多くの現役高校生たちにバンドを始めさせるきっかけを作った。『けいおん!』という作品は物語性が希薄で、日常のコミュニケーションだけを重視した「日常系」「空気系」などと分析されることもあるが、脚本家の吉田玲子は、どのように考えて脚本を書いているのだろう?

「特に新しいものでも古いものでもないって感じですかね。毎日を過ごして、そんなにすごいことが起きるわけでもないですし、だからと言って何もないわけでもない。ちょっとしたことに心を揺さぶられたり悩んだりする話を意識しただけです」

その感覚を「リアルっていうより『そういうことってあるよね』『こういうこと言うかも』っていう共感みたいなもの」と表現する吉田。彼女は、いわゆる「ツンデレ」「ドジッ娘」のような類型的キャラに当てはめて脚本を書いているわけではないという。

そして、『けいおん!』が超人気作品になったことについては、「ずっと不思議なんですよ(笑)」という吉田。この大成功を「『すごいな、唯たち。どうしてこんなに人気者になっちゃったの!?』っていう感じですね」と語る吉田だが、一方では、「かつてもこういうものはあった気がする」とも述べており、

「たとえば小津安二郎の作品とか、そういう感じがしますけど。どこにも到達しないけど、なんかじわっとくるみたいな」

と、『けいおん!』の魅力を語っている。

◆『クイック・ジャパン』vol.99(12月12日発売/太田出版)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。