被写体はすべて紙 事件現場を厚紙で再現して撮影した写真展 

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5月19日(土)より、東京・木場の東京都現代美術館にて、構成写真の第一人者として知られるドイツの写真家、トーマス・デマンドの写真展が開催される。

トーマス・デマンド(Thomas Demand 1964~)は、被写体となる状況を自ら制作して撮影する”構成写真”で国際的に高い評価を得ている、ドイツ現代美術を代表する作家。ちらりと浴槽がのぞくバスルームやがらんとしたコピーショップといった、ごく普通の日常の風景を切り取った世界を厚紙で精巧に再現し、それを撮影することで、政治的・社会的事件が起きた現場の風景を切り取ってみせる。

同展は、ニューヨーク近代美術館をはじめ、世界の主要な美術館で個展を多数開催してきたデマンドの日本初個展。会場には、初期から最新作までの写真作品と映像作品が展示され、無機質で空虚感をも感じさせる紙の世界が、「現実とは何か?」をわれわれに問いかける展覧会となっている。

「トーマス・デマンド」展は、2012年5月19日(土)~7月8日(日)まで、東京都現代美術館(江東区三好4-1-1) 企画展示室3階にて開催。開館時間は10:00~18:00、休館日は月曜日。なお、展覧会初日の5月19日(土)の13:30からは、作家が自作について語るアーティストトークも開催される。

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トーマス・デマンド展-東京都現代美術館

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。