富士山と並び称された江戸の名僧・白隠慧鶴の禅画が渋谷に集結

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12月22日(土)より、東京・渋谷の「Bunkamuraザ・ミュージアム」にて、江戸時代中期に大量の書画を遺した臨済宗の僧侶・白隠慧鶴(はくいんえかく)の展覧会『白隠展 HAKUIN 禅画に込めたメッセージ』が開催されている。

白隠慧鶴は貞享2年(1685年)、東海道13番目の宿場である原宿(現在の静岡県沼津市原)に生誕。禅の教えを平易に説いて現在の臨済宗の禅風を作り上げ、「駿河には過ぎたるものが二つあり、富士のお山と原の白隠」とまで謳われた。書画に秀でた白隠は、釈迦や達磨、菩薩などの仏教的なものに加え、七福神やお福など庶民信仰にもとづくもの、猿や鼠を擬人化したものなど、独特な作風の宗教画や戯画を数多く作画。生涯に数万の作品を残したとも言われている。

同展は、これまで各地の寺院や個人のコレクションとして散在していた白隠の作品約100点を厳選し、これまでほとんど語られてこなかった白隠の美術史上の意義を明らかにする展覧会。白隠の最晩年作で、禅宗の開祖である達磨大師を描いた『半身達磨』や、笹と桶を持ち、腰に注連縄を巻いただけのほとんど裸の坊主『すたすた坊主』、100種類もの書体で「寿」の字が描かれた『百寿福禄寿』など、ユニークかつユーモアあふれる作品が展示されている。

『白隠展 HAKUIN 禅画に込めたメッセージ』は、2012年12月22日(土)~2013年2月24日(日)まで、Bunkamuraザ・ミュージアム(渋谷区道玄坂2-24-1 渋谷駅徒歩7分)にて開催。開場時間は10:00~19:00(金・土は~21:00)。1月1日(火・祝)のみ休館。入館料は一般1400円。

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。