野菜嫌いでも野菜が好きになる八百屋 食べ方やレシピもアドバイス

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スーパーや老舗八百屋が軒を連ねる野菜激戦区の東京・西小山で、開店1年目にも関わらずじわじわと着実にファンを増やしつつある八百屋さん「ヤオヤプラス」。こちらの店に来れば、野菜嫌いの人でも野菜が好きになるという噂を聞きつけ、お店を訪ねてみた。

 * * *
「『野菜が嫌い』という人に会うと、食べさせたくなるんですよね。僕は本当に野菜が好きすぎるので、この世にまずい野菜はないと思っているんです。どんな野菜も調理法や種類さえ考えれば、よっぽどのことがない限り食べられる。だから、野菜が苦手なお客さんがいると『この種類、この食べ方でも、まだ苦手と言うか!』と挑戦したくなるんです」

そう語るのは、大学卒業以来ずっと八百屋さんで働いてきた店長の秋元康亮さん。彼は、ただ野菜を売るだけでなく、「この野菜はこういう調理法にしたらおいしい」「この果物はこの種類だと食べやすい」と、それぞれの人においしい食べ方やレシピまでも提案します。以前、トマトが苦手な子供が来店した際には、酸味の少ない甘めのトマトを用意し、その子は見事にトマト嫌いを克服。「このお店のトマトなら食べられる!」と、トマトをパクパクと食べられるようになったこともあるそうです。

そして「お客さんが欲しいものは、全力で手に入れる」のもこのお店の特徴。取材中も、「さっきテレビで見たんだけど、海藻の肥料で作られたニラってある?」というお客さんからの注文電話が寄せられ、市場や業者さんに片っ端から電話しまくると、数分後には、そのニラが富山県で作られていることが判明。1週間後には、お客さんが探していた「アルギットニラ」が店頭に並びました。

「『この商品、ないの?』って言われたときに、『ない』って答えたくないんですよね(笑)。うちは店舗自体が小さいから、置ける商品は限られている。けれど、欲しい商品を言われたら、日数さえもらえれば、ほぼ何でもそろえられる自信があります。試しに何かそろえてみますか? 本気出しますよ!」

そんな言葉をいただいたので、「じゃあ、いろんなトマトが食べてみたいです」とお願いすると、翌週にはトマトが22種類もお店に到着! 定番の桃太郎トマトはもちろん、酸味が強いイタリアントマト、甘みが強いフルーツトマト、黄色や紫、オレンジなどカラフルなトマトがお店に並びましたが、秋元さんは、

「単純に種類だけなら、もっと集めようと思えば集められるんですけど、自分が食べておいしいものしか置きたくないので。今日は、とりあえず、いま旬で、さらにおいしいと思うトマトを22種類揃えてみました」

と、まだまだ余裕がある様子。秋元さんによれば、普通の八百屋は、ひとつかふたつの市場しかツテがないが、こちらのお店はいろんな市場や農家と取引があるので、仕入れられる野菜の種類も多いそうだ。

・ヤオヤプラス 東京都品川区西小山6-7-3 営業時間10:00~20:00 無休

◆ケトル VOL.14(2013年8月13日発売)

【関連リンク】
ケトル VOL.14

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。