タモリ ラジオの深夜番組で2時間「ソバヤ」絶叫の過去

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タモリといえば、ご存知『笑っていいとも』をはじめ、『タモリ倶楽部』『ミュージックステーション』など数々の長寿番組を抱える“テレビの人”というイメージが強いが、ラジオパーソナリティとしても超一流だ。

中でも1976年10月にスタートした『タモリのオールナイトニッポン』は、その象徴ともいえる番組。まだ素人同然のタモリが、2時間フリートークをするという内容だった。当時のディレクターによると、その打ち合わせは「放送の前日か前々日にタモリが会社に来て、飲んだり食べたりしながら2~3時間無駄話をするだけ」。ぶっつけで本番を迎えていたという。

圧巻は、第1回放送の冒頭でのこと。タモリが自己紹介をしている最中に、「車で博多の海へ行く時、Earth.Wind&Fireの曲をかけると気持ち良いけど、海岸にいるアベックはみんな演歌を聴いてる」といきなり脱線。両者のノリの違いについて15分も語り続けるタモリのトークスキルに、ディレクターは「イケる!」とガッツポーズしたといいます。

その後も奔放なタモリによって、ジャズ講座や絵画教室など、今のタモリ倶楽部に通じる趣味性の高い企画や、NHKニュースの音源をデタラメに繋ぎ合わせる「NHKつぎはぎニュース」などが誕生し、アフリカ民族音楽に合わせて「ソバヤ、ソバッヤ!」と2時間歌い続けた回は、今も語り継がれる伝説の放送に。まだキワモノ芸人のイメージが色濃かった当時、番組主催のイベントでは、250名の募集に対し応募ハガキが2万通も寄せられたこともあったそうだ。

◆ケトル VOL.16(2013年12月14日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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