江戸時代創業の超老舗書店には“無性に発掘したくなる”希少本がずらり

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「絶版」「当分重版予定なし」──欲しかった本がこの状態にあるときほど、本好きがダメージを受ける瞬間はありません。近鉄奈良駅から商店街を歩くこと徒歩2分の場所に位置する豊住書店は、江戸時代創業の超老舗書店。関西方面で人文・歴史系の希少本を探すならここ、というほどの徹底した品揃えを誇る豊住書店は、無性に発掘したくなる本屋さんです。

岩波文庫、講談社学術文庫、ちくま学芸文庫、平凡社ライブラリーなど、アカデミックな本が棚を占める光景に驚くこと間違いなしですが、注目したいのは本に巻かれた「絶版」「当分重版予定なし」の帯……。

「自分でも本を集めるのが好きなもんで、絶版などの情報は常に調べてる。ベストセラーよりも、うちではこういう本を求めに来るお客さんが多い」

と話すのは店主の豊住勝郎さん。大学教授が資料を探しに来るほどのラインナップは、棚を見るだけでなんだか知的欲求が刺激されます。

ちなみにこちらの書店は、日本で3番目に古い書店だそうですが、豊住さん曰く「うちの創業年は、1866年に親父の謹一が『いまなら創業100年になるな』っちゅうことで設定しただけでな、それ以前の文政期に名前が書かれた資料もあるんや」とのこと。正確な創業年はいまだに分からないそうですが、古都・奈良に、絶版本とロマンを求めて発掘の旅に出かけてみてはいかがでしょう。

※豊住書店:奈良市東向北町25

◆ケトル VOL.18(2014年4月15日発売)

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ケトル VOL.18

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。