科学技術振興を目的に開局したテレビ東京 「作文」で役人を欺いた過去
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科学技術振興を目的に開局したテレビ東京 「作文」で役人を欺いた過去

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『ケトル VOL.22』 大江麻理子、松居大悟、水道橋博士、能年玲奈、蛭子能収、速水健朗

昨年12月29日から新年1月4日までの週間平均視聴率で、ゴールデンとプライムの2部門でテレビ東京がフジテレビを上回り、大きな話題となりました。今でこそ『妖怪ウォッチ』『孤独のグルメ』『YOUは何しに日本へ?』『ワールドビジネスサテライト』など、さまざまなタイプの番組が好評を博しているテレビ東京ですが、もともと「日本の科学技術の振興」を目的に開局したのをご存知でしょうか?

テレビ東京は1960年、「日本科学技術振興財団」という公共財団法人による「日本の科学技術教育の振興」を目的に設立されました。それゆえ開局当時の正式名称は「日本科学技術振興財団テレビ局」であり、「東京12チャンネル」は通称でした。

そういった背景があることから、番組編成にも独特のルールが課せられていました。資料によると、「科学技術を振興し、わが国の科学技術水準の向上に寄与する」ことを目的に、放送免許交付の条件が「科学技術教育番組が60%、そのほか、一般教育番組15%を基準として編成すること」とされていたのです。

しかし、教育番組ばかりでは視聴率は伸びません。その後、放送免許を一般総合局にすることになりましたが、そのためには一定期間、全番組の内容を郵政省(当時)に報告する義務があり、やむなく東京12チャンネルのテレビマンたちは「作文」したそうです。

「番組を何でもかんでも科学技術に結びつけてしまう(笑)。劇映画が難しかったなあ。『わらの女』というサスペンス映画は『麦の品種改良に成功した女性科学者の記録』と説明文を書きました」(洋泉社『モーレツ! アナーキーテレビ伝説』より)

ほかにも、お色気シーン連発で社会問題にもなった学園ドラマ『ハレンチ学園』では、冒頭に児童憲章が読み上げられるなど、何とか番組内容を“科学”や“教育”に結びつけようとした苦労が忍ばれます。このように、テレ東という局は「予算がない」だけでなく、「視聴者を啓蒙すべし」という二重の制約のなかで、面白い番組づくりを目指さなけれなならなかったのです。

◆ケトル VOL.22(2014年12月12日発売)

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