「辞書」「辞典」「字典」「事典」の違い 「辞書と辞典は同じ」説も

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2月14日発売の雑誌『ケトル』は、特集のテーマとして“辞書と図鑑”をピックアップ。「辞書と図鑑が大好き!」と題し、辞書や図鑑を作る人、辞書や図鑑ができるまで、さらに辞書や図鑑にまつわるさまざまなトリビアを紹介しています。今回紹介するのは、「辞書」「辞典」「字典」「事典」の違いについて。あなたはきちんと使い分けられますか?

「辞書」「辞典」「字典」「事典」──字面から察すれば、大まかな違いは分かりそうなものですが、その意味を正確にいえる人は、あまりいないのではないでしょうか? そこでこの違いを知るべく、言語学者の金田一秀穂先生にお話を聞いてみました。

「『辞典』は、国語辞典、英和辞典などに代表されるように、言葉自体の意味や文法、例文を記した書物のことを言います。一方の『字典』は、その字の使い方や読み方、正しい形を知れる書物。漢和辞典に近いですが、字典のほうがより記述が簡素ですね。『事典』は、『事(ことがら)』という名前の通り、言葉の意味より事柄を説明した本です。百科事典が典型的ですが、固有名詞や事件、歴史、地理、生物などを詳しく記述してあるものを指します」

ここまでは割と順調に来ましたが、難しいのは「辞典」と「辞書」の違い。金田一先生は、「感覚的な話になってしまいますが、辞書よりも辞典のほうが記述が詳しい印象です」と語るものの、「『辞書』と『辞典』は単に言葉の言い換えで、実は両者は同じ言葉」という説もあり、これについて金田一先生はこう補足しています。

「たとえば『英単語を覚えるため、1ページごと辞書を食べた』などの例文では『辞書』を『辞典』とは言い換えられないですよね。反対のケースもあって、『英和辞典』を『英和辞書』とも言い換えられない。つまり、両者は非常に意味が似ていますが、言い換えができない以上、まったく同じ性質の言葉だとは言い切れないと思います」

まだまだ謎が残る辞典や辞書の言葉の定義ですが、これらを生涯をかけて解き明かしていくのが、真の辞書好きの使命なのかもしれません。

◆ケトル VOL.23(2015年2月14日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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