約130年間ハトがとまったことのない銅像 その神秘のメカニズム

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今年3月に北陸新幹線が開通し、東京と金沢の距離がグッと縮まりました。金沢を訪れた観光客が必ず立ち寄る場所といえば、日本三大庭園のひとつ「兼六園」ですが、こちらには「約130年間ハトがとまったことがない銅像」があるのをご存知でしょうか?

明治13年に建立された日本最古の銅像「日本武尊像」は、西南戦争で戦死した郷土軍人の霊を慰める明治紀念之標のシンボル。その高さ5.5メートルに及ぶド迫力ボディと風格がハトをも牽制するのか……と思いきや、この神秘的現象にはれっきとした科学的理由があるのです。

実は銅像の成分に「ヒ素」が含まれており、そのために鳥が寄り付かないのだとか。意図的な含有だったかどうかはさておき、歴史のシンボルが自力で美観を保つのは頼もしいものです。そして、この事実を発見し、含有量をもとに鳥の糞害防止に効果のある合金を開発した大学名誉教授は、“人々を笑わせ、考えさせてくれる”表彰「イグ・ノーベル賞」で、化学賞を受賞しています。

ちなみにセメントを使っていない台石が崩れないのは、大蛇・ナメクジ・ガマに見立てた石が「三すくみ」だから! こちらも神秘的です。

◆ケトル VOL.26(2015年8月11日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。