約70年ぶりに復活した幻の「ラジオ体操第3」はかなりハード?
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約70年ぶりに復活した幻の「ラジオ体操第3」はかなりハード?

日本人の朝に欠かせない存在である「ラジオ体操」。しかし日頃私たちが接しているラジオ体操は3代目であることをご存知でしょうか?

テレビやラジオ、体育の授業で流れているラジオ体操は「3代目ラジオ体操第1・第2」。実はその前に、1946年に誕生し、約1年半だけ放送されたものの、動きの複雑さからうまく一般に普及せず、世間から消えていった幻の「2代目ラジオ体操 第1・第2・第3」が存在するのです。そしてこのなかの「幻の第3」を約70年ぶりに復活させたのが、龍谷大学の安西将也・井上辰樹両教授の研究グループです。

そもそもこの幻のラジオ体操を復活させるきっかけは、安西教授が滋賀県東近江市から市民の健康促進事業の依頼を受けたことでした。1日30分以上の有酸素運動を定着させるため、ラジオ体操第3のことが「ふと頭に浮かんだ」という安西教授。若い頃に読んだ文献で「第3」の存在自体は知っていたものの、中身についてはほとんど分かっていませんでした。

参考資料はYouTubeに投稿されていた音源データと、ラジオ体操第3の図解が載った『新しい朝が来た 昭和54年発行』という書籍だけ。音と書籍の図解だけを頼りに手探りで再現を進め、研究の末、第3は約3分間に全部で11種類の運動があることを突き止めました。

動作を復刻すると、第3は第1や第2よりも運動強度が高く、なかには大ジャンプなど激しい運動も入っているのだとか。しかし運動強度が強いとはいえ、徐々に心拍数を上げていって、最後のほうにはきちんとクールダウンできるしくみになっています。

安西教授は、運動生理学専門の井上教授とともに、自治体や企業で健康づくりの運動ツールとして講演と実演を開始。高齢者を想定し、身体に無理な負荷をかけぬようにアレンジも加えられ、今では全国の老若男女が実践しています。

「第3は生活習慣病の予防はもちろん、脳の神経細胞の成長に関わるタンパク質を分泌し、うつや不安を抑える働きもあるようです。滋賀県多賀町の職員に3か月間“第3”を実践してもらったところ、『寝付けない』などのメンタル面に問題があった職員20人中7人に改善が見られました」(安西教授)

動きの複雑さから一度は表舞台から姿を消したものの、実力を再評価され、70年の時を超えて復活した第3。早起きした朝は、実践してみてはいかが?

◆ケトル VOL.28(2015年12月14日発売)

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