PUNPEE 盛り上がる今のヒップホップシーンに必要なものとは

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かつてラッパーとしてMCバトルの舞台でも活躍したPUNPEEは、現在フリースタイルバトルの盛り上がりとは異なるアプローチで、ヒップホップカルチャーを牽引している。現在はトラックメイカーとして幅広く活躍するPUNPEEだが、もともとラッパーになりたかったのか? 現在発売中の『クイック・ジャパン』vol.126で、PUNPEEはこう語っている。

「最初はDJとトラックメイカーだったんですよ。でも、まわりのMCのやつらがダラダラやってたんで、『ここは俺がMCバトルに挑戦する姿勢を見せて、もっとみんなに頑張ってもらおう』と。それで、別に1回戦で負けてもいいやと思って、フリースタイルに出てみたんですけど、そうしたら優勝しちゃって」

そうした結果、まわりからフリースタイルが上手いと思われ、MCバトルにも誘われるようになったというPUNPEE。その後、バトルに出るのをやめ、制作に専念しようと決めた彼は、さまざまな場でシーンの盛り上がりを感じているようだが、こういった状況への危機感も感じているようだ。

「CMの仕事なんかがくると、みんなつい『CMが来た! すげえ!』みたいになっちゃって、オーダーに対して良くも悪くもなんでもやっちゃいがちなんですよね。大きい世界に対して、なにも言えなくなっちゃうというか。

でも、ヒップホップはラップだけじゃなくて、服装とかも含めたカルチャーすべてがつながってるから、そういうところは大事にしたほうが絶対にいい。広告の仕事なんかもそういうこだわりを持ってやらないと、結局はヒップホップがイロモノ扱いのままで消耗されちゃうんで。これは自戒も含めてですが……(笑)」

そんな彼は今のシーンに必要だと考えるのは、「流れの中心にくるようなアンセム」なのだとか。MCバトルが盛り上がり、ラップを耳にする機会も多い昨今だが、PUNPEEは、

「バトルの文化がこれからもずっとあっていいと思うんですけど、それと同時にみんなが口ずさめるような曲を作れるような人が表に出てきたら、もっと面白くなると思います」

と、語っている。

◆『クイック・ジャパン』vol.126(2016年6月23日発売/太田出版)

【関連リンク】
『クイック・ジャパン』vol.126

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。