文化成熟のバロメーターとなる動物園 その起源は6500年前
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文化成熟のバロメーターとなる動物園 その起源は6500年前

レジャー施設として、また生き物を観察するアカデミックな場所として、世界各地にはさまざまな動物園が存在します。多くの動物たちと人々で賑わう動物園ですが、日本で庶民が動物を見て楽しむようになったのは江戸時代初期から。南蛮船に乗ってやってきた動物たちが興行師に買い取られ、全国津々浦々の都市を回っては、人々を楽しませていたという記録が屏風などに残されています。

この、人が大自然の中を生きている動物を捕まえてきて見るという行為は、いったいいつから始まったのでしょうか? さかのぼってみると、なんと6500年前にまでいきつくというから驚きです。

〈動物園の起源は野生動物を飼育することに始まる。6500年前にイラクでハトが飼われ、4500年前のインドではアジアゾウが半家畜化されていた。同じ頃、古代エジプトの墓には首輪をつけたアダックスやオリックスなど、アンテロープの絵が描かれている〉(『大人のための動物園ガイド』 成島悦雄 著)

そして古代メソポタミアでは動物を捕まえ、集め、見るという文化が出来上がっていたそう。現代において動物園の設立は、その国が文化的に成熟してきているひとつの指標として扱われます。メソポタミアでも、人口が増え、都市の拡大のため外部地域との交易が盛んになった時期に動物をコレクションするようになったといわれています。また、当時の人々が動物を集めようとした理由は、現代人にも通ずるものがありました。

〈人口が増え、都市が大きくなればなるほど、かえって自然との結びつきを恋しがるものが出てくる。とりわけ王、司祭、商人、土地所有者などの富裕層がそうであった〉(『動物園の文化史』 溝井裕一 著)

しかし、このとき動物を集め、目にすることが出来たのは一部の人々。多くの動物を飼っているということは、権力と財力があるということで、珍しい動物を他の文明から取り寄せることは、外交の強さを表すことにもなったのです。

◆ケトル VOL.33(2016年10月14日発売)

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