実はエサを探しているだけ? アライグマの手洗いの秘密

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動物の中には、変わった習性、面白い習性を持つものもいますが、その代表的なものが「アライグマ」。手や物をゴシゴシと洗う姿を、テレビなどで見たことがある方もいるでしょう。ところが衝撃的な事実が発覚しました。実は“洗っていない”のかもしれないのです。

「当園では、アライグマがエサを洗う動作は一度も見たことがないですね」と話すのは、静岡県・伊豆アニマルキングダムの飼育員の山本さん。というのも、「アライグマには洗う個体もいれば洗わない個体もいて、中には人間の飼育下にいる個体のみがとる行動だと言うひともいる」のだそうです。その証拠に同園のアライグマたちは、水場で水を飲むことはあってもエサを洗うことはないといいます。

ではなぜアライグマと名付けられたのか? 野生のアライグマは森林の水辺近くに暮らし、水中のザリガニやエビを捕食していますが、どうやらそこに理由があるようです。

「水中のエサを探す様子が手を洗っているように見えたことから、その名前がついたという説もありますが、定かではありません。そもそも“洗う”という動作自体がよく分かっていない、というのが正直なところです」(山本さん)

また、あの洗うような仕草は、単に触って感触を確かめているだけという説も。つまり「アライグマ」とは、人間が“パッと見、そう見えた”からついた名前だったのです。

◆ケトル VOL.33(2016年10月14日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。