『ケトルVOL.51』(プレステ特集/太田出版)
『ケトルVOL.51』(プレステ特集/太田出版)
ゲーム・アニメ・コミック

歴代のプレイステーション 貫かれた「直感的にわかる」という思想

Amazonより
『ケトル VOL.51』 上田文人、原田勝弘、吉田修平、外山圭一郎、後藤禎祐、押切蓮介、米光一成、速水健朗、隅…ほか

流行り廃りが激しいゲーム業界において、ここ25年間トップを走り続けているのがプレイステーション(PS)。1994年発売の初代PSから現在最新のPS4まで、すべて大ヒットを記録してきましたが、大まかなデザインは変わっていません。これらのコンセプトはどのようにして生まれたのでしょうか? 初代PS、PS One、PS2、PS3の本体やコントローラーのデザイナーとして知られる後藤禎祐さんは、PSブランドを象徴する△〇×□について、雑誌『ケトルVOL.51』でこのように語っています

「最初はABなどの表示で試作を進めていましたが、ソニーのデザイナーには他社と同じことはしたくないという精神があります。それでPSのボタンは誰でも覚えやすいアイコンにしたいと考え、△〇×□の組み合わせを思い付きました。まず、○と×はYESとNOで、色は赤と青。△は頭や視点を表すもので、色は信号機にならって緑。□は紙で、メニュー・文書を示すもの。色は全体のバランスからピンクにしました。

アルファベットではわからない人もいますが、これなら世界共通で、どんなときに何を押せばいいのか直感的にわかる。ただ、あまりにも従来とは違ったデザインだったので、社内を説得する必要がありました」

それから社内で何度も議論が行われた末、初代PSのデザインは後藤さんの提案した「グリップ付き」「△〇×□ボタン」でいくことが決定。その後、2本のアナログスティックと振動機能が付いた「デュアルショック」も発売され、今につながるPSコントローラーの基本形が完成しました。

「デュアルショックの発売前に任天堂さんがNINTENDO64 を出していて、スティック付きのコントローラーはあちらが先だったんです(1996年6月発売)。ただ、あちらはコントローラーに3つもグリップを付け、その中心にひとつだけスティックを置いていました。ゲーム中にスティックを使うときは、真ん中のグリップに持ち替える仕様です。あれは驚きました。

それに対して僕らは、2本のグリップの各々にスティックを付けた。それはこのほうが自然にスティックを操作できると考えたからです。このデュアルショックのデザインが結果的に長く愛されるものになったのは、とてもうれしいですね」

こうやって生まれたコントローラーは、今やあらゆるゲーム機のスタンダードになりましたが、本体のデザインにも一貫して“ある共通の要素”があるそうです。

「これは初めて明かすことなのですが、実は必ずPSのロゴマークを、ディスクの入り口に置いているんです。このロゴはブランドの象徴であると同時に、初めて触れた人がどこにディスクを入れたらいいか迷わないための標識でもある。『誰でも直感的に扱えるようにする』というコンセプトは、こんなところでも徹底しています」

コアなゲームファンが求めるのは優れたスペックですが、多くの人に受け入れられるためには、“できるだけ分かりやすく”という考え方が大切。細部まで行き届いた設計思想が成功を呼び込んだのは、歴史が証明しているようです。

◆ケトルVOL.51(2019年12月17日発売)

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