内田雄馬 カラオケが苦手だった少年が歌に開眼した瞬間

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声優として数多くの作品で主演や主要キャラクターを担当する傍ら、ソロアーティストとしても活躍する内田雄馬。2018年の音楽活動開始以来、5枚のシングルとアルバム1枚をリリースし、昨年から今年にかけては初のライブツアーを成功させたが、声優の彼にとって音楽とはいったいどんな存在なのか? 2020年2月25日発売の『GIRLS CONTINUE Vol.1』で、音楽との出会いについて、内田はこう語っている。

「生まれてからの記憶だと……僕の祖父と祖母はカラオケが大好きな人で、当時自宅にはカラオケができる機械があって、それを使ってよく演歌とか歌うのを聴いたりしていました。でも、その時の僕は恥ずかしかったので歌うのがすごく嫌だったんですよ。だから自分では歌わずに、ずっと聴く側でいましたね。幼稚園ぐらいの頃はずっとそんな感じで、自分で初めて歌おうと思ったのは結構あとになってからなんです。でも音楽に触れた経験という意味では、その演歌が最初かもしれないです」

音楽に親しみやすい環境ではあったものの、歌うことに関して特に興味は無かったよう。カラオケに関しては、「“歌わされる”というイメージ」「別の部屋に逃げていた」と振り返るものの、中学に入って意識に変化が芽生えたという。

「吹奏楽を始めたんですけど、部活中に替え歌をなんとなく歌っていたら、周りから『うまいね』と言われて。それまであまり褒められることがなかったので、とにかくうれしくて『え、うまいって言われた!』ってことで練習したのがきっかけです。その前から音楽を聴き始めてはいたんですけど、自分で歌おうと思ったのはそのタイミングですね」

当時はBUMP OF CHICKENやゲーム音楽を聞いていたという内田。幼少期は恥ずかしがり屋だった少年は、どういったきっかけでその殻を破ったのか?

「たぶん、人と違うことがしたいと思うようになったのかな。それこそ『特別な人間でありたい』とか『ゲームの主人公みたいな存在でありたい』とか、当時は思っていたと思うんです。なんなら『自分は特別な人間に違いない』みたいな(笑)。そんな特別な自分を認めてもらいたいみたいな気持ちがあったんじゃないかな。一時期はそういう思いが強かった気がします」

そして“特別な自分”になりたいという思いは、声優になったことにも繋がっているという。内田はこう語っている。

「声優は特別な人間に声を吹き込むというよりも、キャラクターたちは人間なので『どういう人間なのか』というところをたどっていく職業だと思っているんです。そういうところを知るためには自分から人に興味を持ったり、人のことをしっかり見て探っていかなくちゃいけない。

学生時代って自分のことに集中しがちで、皆さん子どもの頃にそういう経験をして大人になっていくと思うんですけど、僕も例に及ばず自分を中心に世界を考えて、自分のために何かをしたりすることがよくあったんです。でも、大人になっていく過程で視野が広がって、誰かと一緒に何かをしたり、周りの人の考え方に興味を持ったりと、『人のことを知りたい』と思う気持ちを持つようになっていきました。そういう考え方も声優というものにつながっていったんじゃないかなと思います」

2月24日にはパシフィコ横浜でファーストライブツアーの集大成となるライブを成功させた内田。声優として、そして歌手として、まだまだ彼の挑戦は続いていきそうだ。

◆GIRLS CONTINUE Vol.1(2020年2月25日発売)

【関連リンク】
GIRLS CONTINUE Vol.1-太田出版
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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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