『ケトルVOL.56』はクリストファー・ノーラン特集
『ケトルVOL.56』はクリストファー・ノーラン特集
映画・演劇・ドラマ

ノーラン監督 映画監督を志した『ブレードランナー』の衝撃と熱烈な愛

Amazonより
『ケトル VOL.56』 佐藤大、前島秀国、原田眞人、名越康文、文月悠光、曽我部恵一、松崎健夫、武田砂鉄、池田…ほか

現在『TENET テネット』が公開中のクリストファー・ノーラン監督は、子どもの頃からの映画好き。7歳の時に、父親のスーパー8カメラを使ってショートフィルムを制作した彼ですが、「職業としての映画監督」を志したのは、12歳の時にリドリー・スコット監督の『ブレードランナー』を観たことがきっかけです。

もともとスコットが監督した『エイリアン』(1979年)が好きだったというノーラン。ただ、当時は監督名を意識することはなく、単にSFホラーの傑作として観ていたそうです。しかし、3年後。1982年に公開された『ブレードランナー』を観たノーラン少年は、独特の美意識により、隅々までコントロールされた映像に触れ、『エイリアン』と似たものを感じました。

「もしや、同じ人が作っているのではないか」。

このとき初めてノーランは映画監督という存在を意識し、その職業に自分も就きたいと思うようになったのです。それ以来、ノーランはベッドルームに『ブレードランナー』のポスターを貼るほど、この作品に惚れ込みました。

その思いは映画監督になってからも衰えることなく、『バットマンビギンズ』には同作へのオマージュがちりばめられています。例えば、作品の舞台であるゴッサムシティのデザインを考える際には、スタッフに「『ブレードランナー』みたいにしてくれ」と指示。「バットモービル」のデザインも『ブレードランナー』の主人公・デッカードが乗る「スピナー」を参考にしたほか、ブルース・ウェインの幼なじみである「レイチェル」や悪役の「デュカード」といった登場人物の名前が似ているなど、いたるところに同作の影響が感じられます。

そして、極めつきは『ブレードランナー』で強烈な印象を残すレプリカントを演じた、ルトガー・ハウアーがウェイン産業の社長として出演していること。ハウアーはノーランの才能を高く評価しており、『ブレードランナー』の続編が噂された際には、「続編の監督はノーラン以外には考えられない」とまで語っています。結局、ノーラン版『ブレードランナー』は実現しませんでしたが、愛する作品の俳優にここまで評価されたことは、映画ファン冥利に尽きる喜びだったでしょう。

◆ケトルVOL.56(2020年10月15日発売)

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