いくえみ綾ファン鼎談 架空と実在を行き来する「いくえみ男子」の魅力

カルチャー
スポンサーリンク

『潔く柔く』『あなたのことはそれほど』『太陽が見ている(かもしれないから)』などの作品で知られるいくえみ綾さんの漫画は、イケメン男性が登場するのが特徴の1つ。彼らは「いくえみ男子」と呼ばれ、読者のハートを掴んでいますが、その魅力はどこにあるのでしょうか? 『ケトルVOL.57』では、モデルの前田エマさんと青柳文子さん、写真家の草野庸子さんの3人が対談。「いくえみ男子」に翻弄される3人が、彼らから逃れられない理由について語っています。

青柳 「『潔く柔く』に登場する禄が、彼に一目惚れしちゃった女の子・音々のことを『迷惑です。しつこいし、思ったより根性あるし。(中略)なのにちょっとかわいいのですごく迷惑です』って言うシーンがあるんだけど。これ、ずるくない? 『好きにはならないよ』と宣言しておきながら……」

前田 「少し可能性を残しつつ、明確に答えを出さないところがね。答えを出してこないのがずるい。いくえみ男子って普段は優しくしてくれないのに、時々そういう言葉をかけてくる。しかも、2割のデレでは寒そうな女の子に自分のダウンとかパーカーを躊躇なく貸したりもできる。私はそういう人に惹かれてしまうタイプ。いくえみ男子には振り回されまくりだよ」

草野 「わかるなあ。あと、いくえみ男子は服装もいいよね。おしゃれすぎなくて、気合の入ってないところがリアル。決して見た目もカッコよすぎるわけではないのがまた良い」

ずるい、振り回される、カッコよすぎない……決してべた褒めにはならないのにハマってしまうのが、いくえみ男子のスゴいところ。ただ、実際に付き合いたいかと言われると、それはまた別の話のようです。

草野 「私、いくえみ男子なら禄と梶間、あと『太陽が見ている(かもしれないから)』の楡がずっと好きなのね。でも、彼らは“ツン要素の多いツンデレ”。現実にいたら惹かれるし片思いはするんだろうけど、どこかの段階で“ツン”攻撃に折れて諦めるはず。潔く身をひかせていただきます!」

青柳 「うーん、たしかにそうだろうけど、いくえみ男子みたいに完璧じゃない部分を素直に出してくれる男の子ってなかなかいないじゃん。そういうところがイイ。男の子が目の前で泣いたり弱さを見せたりすること、滅多に無いし。現実の男たちはいくえみ男子と違って、ちょっとカッコつけるんだよね。だから結局愛せなくなっちゃう」

草野 「そもそも、いくえみ男子って現実に結構いるかと思いきや、ギリギリ存在しないよね。いくえみ男子っていうのは、3次元にいません(笑)。『この子、あのキャラクターと似てるな』って思うことは何度かあるんだけどね」

魅力的な彼らを少ない言葉で表すのは難しいですが、「パーフェクトじゃないからこそ惹かれる」「現実にいそう」──そのあたりが、いくえみ男子の魅力を読み解くキーワードなのは間違いなさそう。火傷するのを覚悟で、アナタも目指してみる?

◆ケトルVOL.57(2020年12月15日発売)

【関連リンク】
ケトル VOL.57-太田出版

【関連記事】
イケメン総勢106名をオールカラーで紹介 「王子辞典」第3弾発売
6月にニューシングル発売の超特急 「『ダサい』も俺らの中ではかっこいい」
坂口健太郎 「『女の子に興味なさそう』って言われるけど、興味しかない」
吉沢亮 「主演も脇役もやりたい。どっちかだけというのは嫌なんです」

※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

関連商品
ケトル VOL57
太田出版