クイック・ジャパン VOL.91 のコンテンツ

91号紹介「森見登美彦」

2010.8.02 | 2010.8.04 updated

91color10.JPG「私は四畳半を愛している!」

 

アニメ界は近年、センスの高いクリエイターの成長により、映像化不可能とされる原作を見事に作品化してきた。
爆発的な人気を誇る『けいおん!』(09年/TBS)ですら、放送前は原作のゆるい持ち味をアニメで再現するのは難しいとされていたのだから。アニメにいまや不可能はない。
それは『四畳半神話大系』(10年/CX)の成功で、さらに実証されただろう。
四畳半に暮らす京都の大学生の若き鬱屈と妄想とリビドーがぐちゃぐちゃに詰まった、これ以上なく画にしづらい小説。あえて森見作品のなかからこれをアニメにしようと考えた度胸と、独特の内省的宇宙をアニメ文法で解析・映像化した、スタッフの健闘を讃えたい。
DVD化に先駆けて、このたび原作者の森見登美彦にアニメの評価を聞いてみた。
すると、一般の視聴者とは違う、意外な部分への感応を語ってくれた。(文・浅野智哉)

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