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P・マッカートニー愛用の国産ギター工房 仕上げにはギターにクラシックを聴かせる

岐阜県の片田舎(失礼!)に、ポール・マッカートニーも愛用するギターを製造している会社があるのをご存知だろうか? 「小さいけれど、スゴい会社」を特集のテーマに取り上げた雑誌『ケトル』が、完全ハンドメイドのアコースティックギター専門製造会社「ヤイリギター」を訪れた。

 * * *
名古屋から名鉄線を乗り継いでやってきたのは、岐阜県可児市にあるヤイリギターの工房。約2000坪にも及ぶ敷地には、世界各地から集めてきたギター材が眠る倉庫や、職人たちが約20にも及ぶ工程でギターを作る広い作業場が完備している。

ヤイリギターは、現在の社長・矢入一男さんのお父さんが、老舗のバイオリンメーカーから独立・起業し、1935年に「矢入楽器製作所」として創業した。今の社名「ヤイリギター」になったのは1965年のこと。30歳の時に渡米して本場のギター作りを学んできた一男さんが、「メイド・イン・ジャパンの本格ギター」を標榜し、ギターブランド「K・YAIRI」を立ち上げた。

広い工房の一角には、完成間近のギターが並ぶ部屋があり、超爆音のクラシックが部屋中を満たしている。聞けば、音域の広いクラシックの音の振動は、ギターに"鳴り"をしみ込ませるのに最適だとか。ギター材(木材)は5年から10年間倉庫で寝かせて自然乾燥させるため、1本のギターが完成するまでは、長くて10年かかる。

「手間はかかるし、ほこりは立つし、手は真っ黒になって女の子に嫌がられる。探してきた木がギターになってお金になるのだって、5年も10年も先。そんなことを50年もやってる"たわけ"だよ」

という矢入さん。しかし、

「新しいものに飛びつくんじゃなく、親から子へと受け継いでいける"本物"だけを作っていたい。そのためにも、どんなに古くても壊れていても、責任を持って"リペア"する永久保証を付けています。だって買った時が最高でどんどん価値がなくなっていくようなもん、つまらんでしょ?」

と、絶対の自信を持って送り出すギターは、すべての工程を従業員の手作業で行うため、1日の生産量は、わずか二十数本だそうだ。

◆ケトル VOL.04(12月15日発売/太田出版)

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