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伝説のラジオ番組「パック」 放送終了反対デモが都内を行進

Amazonより
『ケトルVOL.39』 著:ジェーン・スー、中澤有美子、久米宏、伊藤弘、伊集院光、南部広美、南馬越一義、堀井…ほか

熱狂的な番組リスナーが、放送終了に反対して局に抗議のメッセージを送り、それが何百、何千通にも達する──。多くのリスナーに愛された番組にはしばしばあるエピソードですが、放送終了に反対する「デモ」まで起こったのは、TBSラジオのみならず、日本のラジオ史においてもこの番組くらいのものでしょう。

それは1967年から15年間にわたり放送され、70年代にはTBSラジオから深夜放送ブームを巻き起こした「パック・イン・ミュージック」(以下、「パック」)。長年にわたって若者たちの「深夜の解放区」であり続けた同番組でしたが、時代の変化によって徐々に勢いを失い、ついに1982年7月末での放送で最終回を迎えることが発表されました。

しかし、この決定が発表されるや全国のリスナーが猛抗議。撤回を求めた署名活動が行われただけでなく、放送終了に反対する200人ものリスナーが紀尾井町の清水谷公園に集結し、そこから日比谷公園をめがけて「パック終了反対デモ」を行ったのです。

「パック」はこれ以前にも、リスナーの抗議運動が行われたことがありました。それは1974年。TBSのアナウンサーでありながら、同番組での人気により“伝説のパーソナリティ”となった林美雄さんの降板が決まった際、出演継続を願うリスナーが署名活動や抗議イベントを行い、続投が決まったことがあったのです。そのため今回も……と期待を集めたのですが、すでに番組の人気は下降しつつあったこともあり、多くのリスナーから惜しまれつつ15年の歴史に幕を閉じることになりました。

ちなみに、番組のタイトルはウィリアム・シェイクスピアの『真夏の夜の夢』に登場する妖精・パックの名前に由来しています。真夜中に現れて人々に魔法をかけ、朝になると姿を消す様子が深夜放送のイメージに合っていると採用されました。そして、その由来通りに「パック」は当時の若者たちを魔法にかけ、80 年代という新しい時代の幕開けとともに、その役割を終えたのです。

◆ケトル VOL.39(2017年10月16日発売)

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