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音楽

2002年に登場した「着うた」はなぜ爆発的に流行り、そして廃れたのか

『ケトルVOL.44』(ゼロ年代音楽特集号、太田出版)
『ケトルVOL.44』(ゼロ年代音楽特集号、太田出版)

今や携帯電話が1人1台の時代になり、相手がどこにいても連絡が取れるようになったことで、人間関係のあり方は大きく変わりましたが、携帯電話の普及が変えたものはそれだけではありません。例えば、携帯電話でダウンロードする音楽配信サービス「着うた」は、音楽のあり方を大きく変えました。

ゼロ年代の日本の音楽シーンを振り返るうえで欠かせない「着うた」。2002年に始まった当初は、通信速度の関係で40秒程度しか配信できず、「着メロ」の豪華版といった位置づけでした。しかし、au専用のサービスとして始まった「着うた」は、ユーザーの支持が予想以上だったため、1年後には他キャリアも参入します。そして2004年に1曲丸ごとを配信する「着うたフル」が始まると、帯域の拡大もともない市場が大きく成長。サービス開始から5年後には、1000億円を超える巨大市場に発展しました。

海外で主流だったiTunesMusic Store も日本で始まっていたものの、著作権や契約の関係から、メジャーな邦楽アーティストがあまり参加していませんでした。その一方、日本発の配信プラットフォームである「着うた」には、そのほとんどが登録されていました。そのため、携帯電話という身近な端末で音楽を聴きたい若いユーザーを惹きつけることに成功し、これだけの市場規模に発展したのです。

しかし2008年にiPhone が日本に上陸すると、音楽をクラウドで管理し、いつでもどこでも自分のライブラリーにアクセスして好きな曲を聴くといった聴き方が可能になりました。そのため、ダウンロードして端末に保存しなければならない「着うた」がユーザーにとって不便なものになってしまい、急速に市場が収縮していきました。

その後、ゼロ年代に隆盛を誇った「着うた」も、「音楽をめぐる環境が急激に変化する中、ここを一旦の区切りと致します」というコメントを残して2016年にサービスを終了。その際に発表された累計ダウンロード数ランキングによると、もっともダウンロードされた楽曲は2008年リリースのGReeeeN「キセキ」で、もっともダウンロードされたアーティストはEXILEだったそうです。

◆ケトル VOL.44(2018年8月17日発売)

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